シスコシステムズは、企業内LANで広く普及している「Cisco Catalyst」、クラウド型Wi-Fiの「Cisco Meraki」、そしてデータセンタースイッチの「Cisco Nexus」と、ターゲットの異なる複数の製品ラインナップを展開している。
その同社が2022年7月、これら各製品の運用管理機能を統合し、ネットワークの管理を簡素化するための新たなビジョンを発表した。その具体的な中身について、7月22日にオンライン形式で開催したプレスラウンドテーブルで説明した。
第1のポイントは、Catalystスイッチのクラウド管理への対応だ。クラウド管理型Wi-Fiとして日本国内でも多くの企業で採用されているMerakiのダッシュボード画面から、Catalystスイッチの状態監視等が可能になった。
現時点では、いわゆる“ボックス型スイッチ”であるCatalyst 9200/9300/9500が対象となっている。今後、Merakiダッシュボードからモニタリングが可能なCatalystシリーズのWi-Fiアクセスポイント(AP)もリリースされる予定だ。
米シスコ エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 エンタープライズ ネットワーキングおよびクラウド事業担当のトッド・ナイチンゲール氏によれば、管理方法として2つのモードが用意されている。
1つが、Merakiダッシュボード上でCatalystスイッチのモニタリング・可視化ができる「モニタリングモード」だ。Catalystスイッチの管理をMerakiへ移行するためのアプリケーションが提供されており、これを有効化することで「スイッチのモニタリング・可視化や、Merakiの特徴的な機能であるクライアントアナリティクスが使える」(同氏)。
もう1つは「フルマネジメントモード」で、ナイチンゲール氏は「Catalystスイッチの運用管理を完全にMerakiへと移行することも可能だ」と話した。
本機能を使うことで、例えばMerakiのAPとCatalystスイッチでLANを構成しているユーザーは、両方の管理をMerakiに統合することができる。また、Catalystスイッチのみのユーザーでも、Merakiのアカウントを作れば、そのダッシュボード画面からCatalystスイッチで構築したLANを管理することが可能だ。
Merakiのダッシュボードは、ネットワーク構成を簡単に見える化できるトポロジーマップ機能や、接続しているデバイスのOSと利用中のアプリケーションを可視化できる機能等が好評で、今後は、これらの機能をCatalystスイッチに対しても使うことができる。