NTTが次世代AIインフラ構想「AIOWN」 データセンターの受電容量を3倍へ拡大

NTTグループ(NTT、NTTデータグループ、NTTドコモビジネス)は2026年4月27日に記者説明会を開催し、AIネイティブインフラ構想「AIOWN」を発表した。

AIOWNでは、ユーザーの利用用途にあわせてGPUや通信ネットワーク、電力を最適化し、分散配置されたデータセンター(DC)からエッジまでを含むAIの利活用に不可欠なシステム基盤を統合的に提供する。

NTT 代表取締役社長 社長執行役員の島田明氏は、「GPUの使い方は学習中心から推論中心へシフトしていく」と述べ、2030年におけるAI推論のワークロードは2025年比で4倍以上に増加すると指摘。AIOWNを通じて、こうした推論需要に応えていきたいとした。

NTT 代表取締役社長 社長執行役員 島田明氏

2033年度までに受電容量を1GWに

なかでも島田氏が強調したのが、DCの拡張だ。NTTグループでは、全国47都道府県に160拠点以上のDCを展開しているが、旺盛なDC需要に応えるべく、現在300MW程度の受電容量を、2033年度までに3倍超となる約1GWへ拡大する方針を示した。

2033年度までに受電容量を約1GWへ拡大

新たなDCの建設計画も発表した。2029年には、品川区内で液冷を前提としたDCや、栃木県内に約100MWの受電容量を持つ大規模DCを整備するほか、海底ケーブルの陸揚げ局に近接した福岡でも新たにDCを建設する予定だ。2030年には、千葉県の印西・白井エリアで約250MW規模を誇る国内最大級のDCキャンパスを整備する計画も打ち出した。

新たなデータセンターの建設計画も発表

また、ユーザー企業のニーズに応じてコンテナ型DCを展開するとともに、液冷サーバーに対応したDCサービス「Green Nexcenter」も提供する。Green Nexcenterは、すでに半導体企業のRapidusが導入しており、「30~60%の消費電力削減を見込める」(島田氏)という。

47都道府県を800GbpsのAPNで接続

ネットワークに関しては、「47都道府県の県庁所在地間を800GbpsのAPN(オールフォトニクス・ネットワーク)で接続する基盤を2027年度までに構築予定」(島田氏)で、全国160以上のDC間を低遅延に相互接続できる体制を整えていきたいとした。

47都道府県を800GbpsのAPNで接続する基盤を2027年度までに構築

APNは、ネットワーク機能をサブスク型で利用できる「NaaS(Network as a Servive)」として提供することで、ユーザー企業はトラフィックの増減に応じたオンデマンドな帯域拡張や、セキュリティ機能の柔軟なアップデートが可能になると同氏はアピールした。

ソブリンAIについても、NTT版独自LLM(大規模言語モデル)「tsuzumi 2」をベースにした業界・個社特化型LLMの開発に加え、データ主権を担保するためのAIインフラをあわせて展開し、ユーザー企業のセキュアなAI利活用を後押していきたい考えだ。

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