ソフトバンク、5G人口カバー率80%へ 「パケ止まり」にも解決策

ソフトバンクは9月14日、新サービス等に関する発表会を開催し、その中で5Gプランの契約状況や、現状の5Gネットワークにおける課題とその解決策を紹介した。

まず5Gプランの契約状況について、ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの榛葉淳氏は「契約数はソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの3ブランド合算で、1000万を超えた」と説明。


ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 榛葉淳氏

続けて、常務執行役員 モバイルネットワーク本部 本部長の関和智弘氏が、現時点での5Gネットワークの状況等について解説した。


ソフトバンク 常務執行役員 モバイルネットワーク本部 本部長 関和智弘氏

9月14日時点で、ソフトバンクの5G基地局は1.4万局。来月末には2万局まで増え、同社の5Gの人口カバー率は80%に達する予定だ。また、エリアの広がりと5G契約者数の増加により、5Gネットワークから送出されるトラフィック量は昨年8月と比べて200倍になっているという。

そして現時点の5Gネットワークで課題となっているのが、5Gの電波を掴んでいる時に通信できなくなる現象、「パケ止まり」だ。

「Twitterを見ると、お客様からパケ止まりに関するコメントが多く寄せられている。これはソフトバンクだけでなく、他社でも同様の事象が起きているようで、各社の5G展開の過渡期における深刻な問題だと捉えている」と同氏は話した。

パケ止まりの原因については、5G基地局の密度が足りず、5Gの連続性が不十分なエリアが発生しており(下図の赤色の部分)、その5G電波が弱いエリアで無理に5Gを利用しようとすることだという。


パケ止まりのメカニズム

そこでソフトバンクでは、このエリアの端において、下りは5G通信のみを利用し、上りには5Gと「より届きやすい」LTEを組み合わせることで、パケ止まりを抑制している。その結果、「上りではパケ止まりの要因になる低速度の割合が非常に少なく、下りでは100Mbps超の通信が非常に多く記録されている」(下図)とした。


5G速度の分析結果

ソフトバンクは2022年春には、5Gの人口カバー率を90%に広げる予定だという。

関和氏の話を受けて榛葉氏は、「まずは人口カバー率80%を宣言して、全国津々浦々に5Gを届けたい。そしてパケ止まり等、実際この過渡期にお客様が何に困っているのかをいち早くキャッチして、我々の技術で最高の5Gを提供していきたい」と力を込めた。

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