ソフトバンクは2023年6月23日、アース製薬が主催する女子ゴルフトーナメント「アース・モンダミンカップ」の大会初日(6月22日)において、ミリ波(28GHz帯)を利用する5G SAや、Sub6(3.7GHz帯)を利用する5G NSAなどを活用し、マルチアングルのライブ映像を配信する実証実験を実施したと発表した(6月25日まで継続して実施)。
この実証実験は、ゴルフ場という有線・無線ともに制約がある通信環境において、オンデマンド型ソリューションとして移動基地局車を配備し、ミリ波やSub6の5Gを用いてライブ映像配信に特化したビジネスユース向けの通信ネットワークを構築することで、リッチな映像コンテンツの配信が可能なことを実証するために行われた。
全18ホールの25カ所で撮影した映像をソフトバンクの映像配信プラットフォームを活用し、特設ブース(ダイヤモンドボックス)に配備したタブレットで映像を切り替えながら楽しめるようにした。
なかでも大会の見どころである9番ホールの模様は、2台の固定カメラと4台の5G対応スマートフォン「Xperia 5 IV」を使ってマルチアングルで撮影し、移動基地局車に5Gで映像を伝送。ティーイングエリア付近とグリーン付近に固定したカメラで撮影した超高画質映像は、超高速・大容量の通信が可能なミリ波の5G SAに対応したスマホ「Xperia 1 V」を経由して伝送した。
また、プレー状況に応じて移動しながら「Xperia 5 IV」で撮影した高画質映像は、ミリ波より広いエリアで通信が可能なSub6の5G NSAと、5Gネットワークでの最適で安定したストリーミング伝送を可能にするソニー独自のQoS技術を活用するとともに、ソフトバンクの配信プラットフォームとの柔軟な連携を実現するソニーのクラウド中継システムを経由して伝送を行った。
今回の実証実験で、ミリ波の5G SAとSub6の5G NSAを組み合わせ、映像品質や撮影環境に合わせて最適な通信ネットワークを構築したことにより、通信速度はミリ波の5G SAで下り3.4Gbps/上り563Mbpsを、Sub6の5G NSAでは下り2.0Gbps/上り149Mbpsを計測したほか、多くの人が通信を行う環境においても、映像コンテンツを途切れることなく配信できることを確認したという。