米シスコシステムズは、サイバーセキュリティ領域における大規模言語モデル(LLM)や自然言語理解の活用技術を持つArmorblox社を買収する意向であることを発表した。2023年5月31日(現地時間)に同社ブログにて発表。6月2日に日本法人もアナウンスした。
企業の攻撃対象領域が拡大し、サイバー攻撃者による新たな侵入経路が急増するなど、セキュリティ確保に要する時間やリソースが指数関数的に増大している。
同社の発表では、この複雑な課題に対処するためには、複雑かつ膨大なデータの使い方を知ることがポイントであるとし、生成系AIを活用することが有効だと指摘。「現在利用できる豊富なネイティブのテレメトリを活用して大規模言語モデル(LLM)をトレーニングし、インテリジェントで適応性の高い自動化されたセキュリティ機能を展開することができます。これにより企業のセキュリティ体制を強化できるだけでなく、ユーザの生産性向上、製品の効率化、業務の簡素化を図ることができます」とした。
シスコは、このAIファーストのセキュリティクラウド戦略をさらに進めるため、Armorbloxを買収する。同社の技術は当初、企業ユーザーにとって最も攻撃対象となりやすいEメールの保護対策として導入され、他の様々なセキュリティ対策にも活用する。
今後の方針としては、予測AI、生成系AIによるArmorbloxのソリューションをシスコのポートフォリオ全体で活用し、ユーザーがこれまでと異なる方法でセキュリティコントロールの必要な場所を把握し対応できるようにするという。
買収はシスコの2023年度第4四半期末までに完了する予定。ArmorbloxのチームはSecurity Business Groupに統合される。