2023年2月のMWC Barcelona 2023に合わせて、ノキアは新型RU(Radio Unit)の「Habrok」や新型BBU(Base Band Unit)をはじめとする各種のRAN製品を発表した。
併せて、Cloud RAN(仮想化RAN:vRAN)やOpen RANを推進するための取り組みとして打ち出したのが「Nokia anyRAN」と呼ぶ新コンセプトだ。通信事業者がRANの仮想化/クラウド化を進めるのを後押しすると同時に、ベンダーロックインを排除し、RANの柔軟性をもたらすことを目的に掲げている。
その実現に向けて、ノキアはAWSやマイクロソフト等のクラウド事業者、デルやHPE等のサーバーベンダーらとの広範なパートナーシップも発表。通信事業者、そしてプライベートワイヤレスを活用する企業が、Cloud RANを稼働させるためのハードウェアやクラウドインフラを自由に選択できる世界を目指している。
2023年7月27日に開催された年次イベント「Nokia Connected Future 2023」では、このanyRANのキーコンポーネントを含めて、ノキアのRANポートフォリオの数々が展示された。製品管理部門責任者 RAN製品ラインマネジメントのブライアン・チョー(Brian Cho)氏の解説とともに、ノキアが目指す次世代RANについてレポートしよう。
1つめの目玉は、軽量化と省エネ性を追求した新型のMassive MIMO無線機(RU:Radio Unit)の「Habrok」だ。
従来製品に比べて消費電力を30%削減し。重量も3割低減。電力コストが抑えられるうえ設置工事も容易化することで、米中やインド等と比べて日本が遅れているMassive MIMOの展開を後押しする。
ベースバンドユニット(BBU)も小型・軽量版を投入する。会場には、体積9Lで重量も9kgに抑えながら12基のフロントホールポートを備えるマクロセル用の「ASOE」(下写真の下側)や、同じく重量9kgで6基のフロントホールポートを備えるスモールセル/ミリ波帯用「ASOF」(下写真の上側)を展示した。
また、ノキアは屋内の4G/5Gカバレッジを広げるためのインドアソリューション「AirScale indoor Radio(ASiR)」も提供している。
上図のように、光ファイバーケーブルで接続した最大12基のpRRH(Remote Radio Head)を展開できるシステムに加えて、フェムトセル型の「Smart Node Femtocells」も用意。会場内にはこれら様々なRAN製品が並んだ。