「6GHz帯が開放されたのは2022年9月と、(諸外国に比べて)遅れた。対して、Wi-Fi 7の認証はWi-Fi 4から6まで約6年ごとだったのに比べて、比較的早い2024年になる予定だ。そのため、Wi-Fi 6Eは短命な規格になってしまうのではないか」
Wi-Fi 7対応の法人向けアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1240」の出荷を2023年10月から開始すると発表したNEC。デジタルネットワーク統括部 主任の佐々木崇氏は、他社に先駆けてリリースした理由の1つをこう述べる。
業界団体のWi-Fi Allianceで「Wi-Fi 7」との呼称がつけられる見込みの「IEEE802.11be」の標準化は、2024年に完了する予定だ。今年3月にDraft3.0がリリースされたところで、Wi-Fi Allianceの認証プログラムもまだ準備中の段階にある。
Wi-Fiの世代交代時には、Draft準拠で新規格の製品が発売されるのが常であり、それ自体は珍しいことではない。ティーピーリンクもコンシューマー向けと法人向けのWi-Fi 7対応製品を年内に出荷する計画だ。
そこで気になるのが、“Wi-Fi 7を今買うべきか”だ。答えは明解。社内Wi-Fiの更改時期を迎えている企業で、将来的に4K/8K映像やVR/AR、リアルタイムアプリケーションを快適に使いたいと考えている企業なら、Wi-Fi 7は間違いなく検討すべきものと言える。Wi-Fi 6Eももちろん使えるうえ、端末側もすでにWi-Fi 7対応機種が出始めている。2024年以降はPCにも広がるだろう。
懸念点は、普及前で価格が高いこと、標準化完了前のため使える機能や性能に関して不確定要素があることだが、ティーピーリンクジャパンISP 営業部長の岩崎和男氏は、「長期利用を見据えた場合は、Wi-Fi 7を視野に入れる必要がある」と話す。