迫る「2024年問題」と物流DX ITベンダーは標準化の視点を

トラックドライバーの時間外労働の規制を強化する「働き方改革関連法」が、来年4月に施行される。いよいよ「2024年問題」が間近に迫ってきた。NX総合研究所によると、2025年以降も物流需要と輸送能力(供給)のギャップは拡大し、2030年時点での輸送能力は約34%不足する。つまり、3分の1の荷物が運べなくなるのだ。

「こういった問題に対応すべく、物流業界に向けた自動化・デジタル化に関する新しいソリューションが登場し始めている」。こう話すのは、富士経済 インダストリアルソリューション事業部 主任の竹内文哉氏だ。

富士経済 インダストリアルソリューション事業部 主任 竹内文哉氏

富士経済 インダストリアルソリューション事業部 主任 竹内文哉氏

昨年11月、富士経済は調査レポート「2023年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」を刊行した。

同レポートによると、2022年の物流関連のITソリューション国内市場規模は、7114億円。2030年には2022年比166%の1兆1831億円に到達すると予測している(図表1)。「配送や倉庫などでロボットを活用する動きが加速していく。また、改正航空法の施行などが行われ、ドローンに関する周辺環境も整いつつある。物流向けドローンの市場も本格化していくだろう」。さらに、レガシーシステムがDXの妨げとなり、2025年以降最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある「2025年の崖」により、「物流会社も危機感を持ち、物流DXが加速していくだろう」と竹内氏は物流DXソリューション市場の伸長要因を解説する。

図表1 次世代物流システム・サービス市場

図表1 次世代物流システム・サービス市場

では一体どんな物流DXソリューションが今後伸びていくのだろうか。具体的に見ていこう。

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