楽天モバイルと米AST SpaceMobileは2024年2月16日、「楽天モバイル×SpaceMobile 戦略説明会」を開き、日本国内における衛星と携帯電話の直接通信サービスを2026年内に開始する計画を発表した。
令和6年能登半島地震は、災害時における通信手段の確保の重要性を再認識させた。また、楽天モバイルは他社に比べて低いエリアカバー率をどう高めていくかが創業以来の課題だ。衛星通信サービスは、こうした問題の解決策となる。
楽天モバイルは2020年3月にAST社と戦略的パートナーシップを締結し、AST社が高度約730kmに打ち上げる低軌道衛星と携帯電話の直接通信による衛星ブロードバンドの提供に向けて取り組んでいる。
AST社は、米AT&T、英Vodafoneなど世界各国の40のMNO事業者と協力関係を結び、グローバルでのサービス提供を目指している。2023年4月には楽天モバイル、AT&T、Vodafoneの協力のもと低軌道衛星と市販スマートフォンの直接通信に世界で初めて成功し(参考記事)、2024年1月15日にはハワイと日本との間で衛星を介した音声通話の実験にも成功している。
同サービスはiOS/Androidの別を問わず、市販スマホが直接衛星と接続できることが大きな特徴だ。楽天モバイル 代表取締役会長の三木谷浩史氏は、「他社と概念的に大きく異なる」と表現し、現状では専用機器が必要なStarlinkなどの競合サービスとの違いを強調した。