NTTは2024年4月26日、深層学習を用いたデータの回帰分析手法を開発したと発表した。
回帰分析とは、店舗への滞在時間やECサイトの閲覧時間などの「入力データ」と、購入金額などの「出力データ」の定量的関係を表す関数を推定することで、入力データと出力データの関係性を把握する手法を指す。
回帰分析を行うことで、例えば「店舗に10分滞在する人は2000円分の商品を購入する」といった相関関係が把握できるようになる。
ただ、「プライバシーに配慮して収集されたデータや、異なる機関・組織で独立に収集したデータなど、入力と出力の対応が失われたバラバラなデータになる場合がある」とNTT 人間情報研究所 共生知能研究プロジェクト 主任研究員の幸島匡宏氏は指摘した。
例えば、オンラインサイトとリアル店舗を持つアパレルショップがあるとする。顧客がオンラインサイトで商品の詳細を確認し、リアル店舗で商品を購入した場合、入力データと出力データの相関関係が掴めなくなってしまう。
つまり、従来の回帰分析手法では“バラバラ”なデータの分析を行うことができない。そこでNTTは、バラバラなデータから関数を推定する手法を開発した。