「2700体ものAIエージェントを導入した結果、数年かかるはずの仕事が数日に短縮された」
「AWS Summit Japan 2026」の基調講演に登壇したアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン) 代表執行役員社長の白幡晶彦氏は、AIエージェントの威力を示す事例として、米Blue Originの取り組みを紹介した。同社では、従業員の約70%がAIエージェントを活用している。
また、ソニーは全社の生産性向上のためにエンタープライズLLMを構築。6万5千人以上が利用しており、1日に15万件の推論リクエストを処理しているという。

続いて登壇したAWS コンピューティング・AI・サービス基盤担当シニアバイスプレジデントのデイブ・ブラウン氏は、AIエージェントがアプリケーション構築、顧客対応、意思決定といった幅広いシーンで自動化に貢献していることを強調した。
以前のAIアシスタントは、人間の質問に答えるだけだったが、Amazon QuickのようなAIエージェントは、「ユーザーがほしいアウトカム(結果)を伝えるだけで、ツール間のギャップを埋めて自律的に実行する」(ブラウン氏)。例えば、メール、Slack、ドキュメント、データレイクなどを横断して関係性を推論し、意思決定や資料作成を自動化することで、人間がそれらの点を繋ぎ合わせる作業そのものを排除する。

こうした自動化の威力が最も発揮される領域の1つがソフトウェア開発だ。「AI駆動開発(AI DLC)」と呼ばれる新たな手法によって、開発サイクルの根本的な変革が始まっている。
基調講演にゲスト登壇した東京海上日動火災保険 常務執行役員(CITO・CISO)の歌門正師氏は、保険業務が800以上のシステムで成り立っていることが開発スピードを上げるうえでの大きな制約になっていたことを説明し、AI DLCがそれを打開する転機をもたらしたと話した。
「要件定義書からソースコードに至るまで、開発コードで必要なアウトプット資料はすべてAIが作成し、重要な判断は人間に委ねる。これに大きな可能性を感じた」。ある業務システムでは、開発速度が従来比で10倍になったという。
また、要件定義から設計・実装までのプロセスがスムーズにつながるようになったことで、「人間は本質的な判断に集中できる」。以前は外部委託で半年かかっていた「プロトタイプの作成が1日になった。数百万円かかっていたコストも、(AWSが提供するエージェント型開発ツールである)kiroの1日分の利用料で済んだ」と、劇的な効果を発揮していると述べた。