「日本のAI、意外な実需が製造業」GMOインターネット 武田氏

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GMO インターネット ドメイン・クラウド事業本部 GPUクラウド事業部 部長の武田茂氏

2024年11月に開始した「GMO GPUクラウド」は2025年夏から引き合いが急激に増え、9月に単月黒字に転換しました。現在はリソースの空きがほとんどない状況で、市場全体でGPUが不足しています。

顧客層については、当初はLLMの開発・学習用途を想定していました。ところが実際には、日本のLLM開発スケールは世界と比べて小さく、大量に使い続けるお客様はそれほど多くなかったというのが正直なところです。

意外な形で存在感を示したのが製造業です。もともとHPCを使っていた研究開発部門が、GPUクラウドへの移行に関心を示しています。もう1つ、大きな発見だったのが自動運転分野です。映像データの大量収集・分析には、膨大なGPUリソースが必要になります。自動運転システムを開発するスタートアップ、チューリングと4年間の長期契約を締結したほか、別の自動運転開発会社からも打診をいただいています。

運用・監視でも差別化

競合との差別化ポイントは大きく3つです。

まず、エヌビディアのエンジニアが設計・検証したリファレンスアーキテクチャを採用していること。これにより、最高水準のパフォーマンスを実現しています。リリース直後にスパコンランキング「TOP500」で商用クラウドとして国内1位を獲得できた要因もそこにあると思っています。

次に、マネージドサービスでの提供です。一般的なGPUクラウドはベアメタルのサーバーをそのまま貸し出すだけで、設定や運用はユーザー任せが多いのですが、それだとAIエンジニアがインフラ管理にも時間を取られてしまいます。我々は当初からマネージドサービスとして展開しており、「使い勝手がいいから選んだ」という言葉を最も多くいただいています。

3つ目がネットワークです。エヌビディアのSpectrum-Xを採用していますが、国内のGPUクラウド事業者では今のところ当社だけだと思います。コストは正直高いのですが、GPUインターコネクトの速度がダントツに速い。InfiniBandではなくイーサネットを使っているのは、最新技術では遅延の問題が解決されており、イーサネットのほうが優位だと判断したからです。

サポート体制にも自信を持っています。GPUサーバーが故障すると、ユーザーが気づいてから復旧まで2〜3日かかることも珍しくありません。当社では機器の挙動を常時監視し、故障の予兆を察知した段階で交換を提案できます。

今後の市場展望ですが、GPU不足はしばらく続くと見ています。OpenAIをはじめとした大手がケタ違いの規模で調達を進めていて、ハイパースケーラーでさえ日本向けのリソースをOpenAIに回すように指示されているという話も耳にします。

次のテーマは推論用途の拡大です。米国ではすでに学習と推論の売上規模がほぼ拮抗してきています。日本でも推論が広がれば、業種問わずあらゆる企業が対象になります。その準備を進めていかなければなりません。

現在のGPUクラウドは福岡のデータセンターに置いています。九州電力の電気料金の安さと、当社のエンジニアが北九州に集積していることが理由です。今後、別のエリアに展開するにあたっても、電力コストとエンジニアを配置できるかどうかが判断の軸になります。ネットワーク遅延の課題が技術的に解消されていくなら、データセンター分散化の観点からも地方展開に積極的に取り組んでいきたいです。

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