与えられたタスクをこなすため自律的に働くAIエージェントがビジネス現場に浸透し始めるなか、その弊害として新たに生じるリスクを懸念する声が高まっている。
AIエージェントがもたらすリスクに関して、米シスコシステムズ グローバルスペシャリスト シニア バイスプレジデントのデイヴ・ウェスト氏が示したのが、次のデータだ。

シスコと第三者機関が合同で行った調査では、過去12カ月間におけるAIワークロードに関するトラフィックの平均増加率は34%に達したという。
今後の増加予測は、さらに深刻だ。生成AI、AIエージェント、フィジカルAIをあわせたトラフィックは、今後3年間で現在の3倍に達する見込みだ。現時点ですでにキャンパスやブランチのネットワークがキャパシティ制限に直面している、あるいは今後2年以内に直面する見込みがあると回答する企業は73%に及ぶ。

将来のデジタルワークスペースでは、「例えば1000人の従業員と3万のAIエージェントが活動するといった光景もあり得る」とウェスト氏。しかも、AIエージェントは24時間365日絶え間なく働き続け、情報収集やエージェント同士の通信を絶え間なく行うようになる。
人間が画面をクリックして操作するチャットボットの時代とは異なり、「エージェントは休むことなく働き続けるため、ベストエフォートを前提に設計されてきた従来のネットワークでは帯域が追いつかない」(同氏)。加えて、トラフィックの流れ自体も、サーバーからクライアントへの「南北方向」から、エージェント同士が横串で通信する「東西方向」へとシフトする。この変化は、サイレントな脅威の温床にもなり得るという。
人間を前提に設計・構築されたネットワークでは、こうした通信を支えることは不可能だ。AIエージェントと人間の協働を前提としたネットワークへの刷新が求められる。