5つのチェーンをAIでつなぐ NECが描くAIネイティブ製造業「MX」

NECは2026年7月21日、製造業向けの企業変革コンセプト「マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX)」を発表した。

製造業の競争力を支えるエンジニアリング、サプライ、プロダクション、サービス、サステナブルの5つのバリューチェーンを「AIネイティブ」に変革する構想だという。ここでいうAIネイティブは、既存業務にAIを付加するのではなく、組織や業務プロセスをAIの利用を前提に再設計した状態を指している。なお、この5つのチェーンだが、NEDOのガイドラインが示す4チェーンに、NECが独自に環境情報を扱うサステナブルチェーンを加えたものだ。

図 AIネイティブな製造業変革(MX)のイメージ

図 AIネイティブな製造業変革(MX)のイメージ

同社は2025年に、これら5つのチェーンをデータで結び、変化に動的に対応する「ダイナミックマニュファクチャリング」を提唱している。今回のMXでは、そのデータを製造業特化型のAIエージェントに活用させ、判断や業務の実行まで支援する構想へ発展させる。

発表会ではその社内実践や開発中のデモを含め、AIネイティブな製造業に向けた「現在地」を示した。

「人中心」から「AI中心」へ 管理会計の工数60%削減を見込む

マネジメントコンサルティング統括部 FDXグループ ディレクターの宮辻博文氏は、「MXが目指すのは人を中心とした業務プロセスから、AIを中心としたプロセスへの転換」と説明した。

NEC マネジメントコンサルティング統括部 FDXグループ ディレクター 宮辻博文氏

NEC マネジメントコンサルティング統括部 FDXグループ ディレクター 宮辻博文氏

その先行事例が、NECグループ内で進める管理会計業務のAI化である。従来は、人がデータ収集や分析、予算策定、予実管理などを順番に行っていた。これを、AIがデータを常時分析し、戦略や最適案を提示するプロセスに改める。

人はAIの提案を基に最終判断を行い、その結果を各部門の施策へ反映する。NECは、この仕組みによって管理会計業務の工数を約60%削減し、意思決定から実行までを高速化できると見込む。

調達領域では、自動交渉AIを使い、発注済み部品の納期や数量をサプライヤーと調整するサービスをNECグループ会社へ導入している。宮辻氏は、「AI技術だけでなく、AIを前提とした業務プロセスも同時に作る必要がある」と強調した。

MXが狙う効果は、「対応の速さで勝つ」「先読みで防ぐ」「学びで強くなる」の3点である。市場や供給網の変化に迅速に対応するとともに、将来のリスクを予測し、過去の対応をナレッジとして蓄積する。

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