Wi-Fi HaLowは850MHz帯、Wi-Fi 7はSPモードへの期待大 AHPC・Wi-Biz合同ブース

2026年5月27日から29日にかけて開催される「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP) 2026」では、今年も802.11ah推進協議会(AHPC)と無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)が合同でブースを構えている。

850MHz帯対応製品がすでに登場 京セラ製Wi-Fi HaLow対応スマホも注目

Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)の普及を推進するAHPC側で注目されるのは、850MHz帯への拡張を見据えた製品展示だ。現在、国内のWi-Fi HaLowは920MHz帯で利用されているが、他用途との共用のため電波の送信時間に制限があり、実運用上のスループットにも影響している。850MHz帯の利用が可能になれば、Wi-Fi HaLowの利便性と適用領域がさらに広がることが期待される。

総務省ではWi-Fi HaLowの850MHz割り当ての議論が大詰めを迎えるなか、各社が850MHz帯に対応した製品を展示していた。台湾Edgecore Networksの製品を取り扱うビーマップは、850MHz帯対応のネットワークカメラや小型USBドングルを出展。ブースではUSB Type-Cポートを持つWi-Fi 7対応アクセスポイントと組み合わせた利用も提案していた。

ビーマップが展示したEdgecore Networks製のWi-Fi 7/Wi-Fi HaLow対応機器。上段左側がWi-Fi HaLowの850MHz帯に対応した小型USBドングルを接続したWi-Fi 7アクセスポイント

ビーマップが展示したEdgecore Networks製のWi-Fi 7/Wi-Fi HaLow対応機器。上段左側がWi-Fi HaLowの850MHz帯に対応した小型USBドングルを接続したWi-Fi 7アクセスポイント

フルノシステムズはALFA Networks製の850MHz帯対応のアクセスポイント「Tube-AHM」を展示。防水性能を高めるために棒状の特徴的な形状を採用し、屋外でのセンシングや監視カメラ用途に耐えうるIP66相当の防水・防塵性能を備えるという。

フルノシステムズが展示したALFA Networks製の850MHz帯対応のアクセスポイント「Tube-AHM」(写真左側)

また、京セラが今年9月以降に発売を予定するWi-Fi HaLow対応スマートフォン「DuraForce EX2」も参考展示された。ブース内では、Wi-Fi HaLowの普及を後押しする製品として期待する声も聞かれた。

参考展示された京セラ製Wi-Fi HaLow対応スマートフォン「DuraForce EX2」

産業現場でもWi-Fi HaLowの浸透進む

産業現場でのWi-Fi HaLow活用を意識した展示も目立った。コンテックは、産業用スイッチやゲートウェイ等と組み合わせたIoTシステムのデモを展示。既存の有線機器や設備を同社のWi-Fi HaLowコンバーター「RP-WAN-SR」シリーズに接続し、無線化するというコンセプトだ。既存のWi-Fiでは届かない距離を接続したいというニーズに応えるWi-Fi HaLowは「工場の引き合いが多く、無線コンバーターへの問い合わせが増えている」(担当者)という。

コンテックのWi-Fi HaLowデモ展示。ボード右上の灰色の端末がWi-Fi HaLowコンバーター

コンテックのWi-Fi HaLowデモ展示。ボード右上の灰色の端末がWi-Fi HaLowコンバーター

センチュリー・システムズはWi-Fi HaLowを利用した空気モニタリングシステムを展示した。ダイトロン製のパーティクルセンサーで空気中の微粒子を測定し、そのデータをWi-Fi HaLowでセンチュリー・システムズ製ゲートウェイに送信する。ゲートウェイからはLTEを介してデータをインターネットに送る構成だ。同社は、-20℃から60℃までの温度環境や、車載用途も想定した耐振動性能など、産業用途に対応するWi-Fi HaLow製品をラインナップしている。

センチュリー・システムズが展示した空気モニタリングシステム。中央下部の青い筐体がゲートウェイ

シスコがWi-Fi 7のSPモード対応APを展示 工場でのAGV制御活用にも期待

一方、Wi-Biz側の展示では、Wi-Fi 7の6GHz帯SP(Standard Power)モードへの期待が示された。SPモードではより高い出力で6GHz帯を利用することが可能になり、屋外や大規模施設、工場などでのWi-Fi利用拡大につながりうる。制度化に向けた議論が進むなか、シスコシステムズはSPモードに対応したアクセスポイント「CW9179F」を出展した。

Wi-Fi 7対応アクセスポイントが多数展示。上段左端がシスコシステムズ製アクセスポイント「CW9179F」

Wi-Fi 7対応アクセスポイントが多数展示。上段左端がシスコシステムズ製アクセスポイント「CW9179F」

スタジアム用途を想定して開発された同機は、6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯を活用し、客席や屋内外の広いエリアをカバーする。設置後の設定変更によって電波の照射方向を調整できる構造も特徴だ。

シスコシステムズの担当者によれば、SPモード対応アクセスポイントは「まだ少ない」が、SPモードを利用することで1台のアクセスポイントで広いエリアをカバーしやすくなり、ローミングを抑えた設計が可能になる。このため、工場などではAGV制御への活用に期待が高いという。

このほかにも、センシング機能を搭載したモデルや、耐候性を高めたモデル、小型モデルなど、特徴あるWi-Fi 7対応アクセスポイントが多数展示されている。

なおAHPCとWi-Bizは、会期2日めの5月28日10時30分から「これからの本格IoT・AI・ロボティクス時代の通信を支えるWi-Fiファミリー!Wi-Fi HaLowとWi-Fi6/7の最新情報をご紹介」と題するセミナーをセミナー会場Bで開催する。Wi-Fiファミリーの進化の最前線を知る絶好の機会だ。

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