6〜8GHz帯を使いこなすか——。
6Gの標準化が本格スタートするなか、6Gの主力周波数として期待を集めているのが、この帯域だ。具体的には、5G周波数帯「FR1(7.125GHz以下)」の一部である6425〜7125MHz、そして「FR3」と呼ばれる帯域に属する7125MHz〜8400MHzに、業界の熱い目が注がれている(図表1)。

3Gから4G、そして5Gへの世代交代時には、新たな周波数帯が開拓されてきた。5Gの目玉となったのが、Sub6(6GHz未満。日本では3.7GHz帯と4.5GHz帯を割当)とミリ波(28GHz帯)だ。このうち4G帯域に近いSub6は、既存の無線技術が転用しやすいこともあり、2023年頃からエリアが急速に拡大。5Gの主力帯域として利用が進んでいる。
これに続く「6Gの主力帯域」として期待がかかる6〜8GHz帯は、どんな周波数なのか。注目が集まるのには、大きく2つの理由がある。
1つは、隣接するSub6と似た性質を持つため使いやすいこと。そして、通信事業者ごとに200〜400MHzという帯域幅を確保できる可能性があることだ。
ただし、この帯域が6Gで使えることが確定したわけではない。以下、2023年の世界無線通信会議(WRC-23)でIMT周波数帯(ITUが定めた携帯電話の共通周波数帯)として特定された「6425〜7125MHz」(図表1のオレンジ)と、これから議論が始まる「7125MHz以上」(緑)とに分けて、その可能性を見ていくことにする。
「6G周波数の割当で最も重要なのが6.425GHzから7.125GHzだ。多くの国で6G用として特定されている」
クアルコムジャパン 標準化本部長の城田雅一氏はそう話す。

6425〜7125MHz(6GHz帯)は前述の通りWRC-23においてIMT特定されたが、(1)6425〜7025MHzと(2)7025〜7125MHzで状況が異なる。欧州・中東・アフリカ等の第1地域は(1)(2)ともに5G/6G用周波数として特定され、すでに5Gへ割り当てた国も複数ある。対して、日本を含むアジア・太平洋地域の多くは、(2)7025〜7125MHzの100MHz幅のみがIMT用途に特定された。
この6GHz帯は、放送・衛星等の既存無線システムで利用されている(図表2)ほか、Wi-Fiへの追加拡張も検討されている。6Gで利用するには課題が多いが、とはいえ、グローバルでは他の無線システムとの共用も含めて、5G/6Gへの割当が進む可能性が高い。もし日本が取り残されれば、その痛手は大きい。携帯電話システムの発展で遅れを取ることに加えて、インフラおよび端末メーカーらは日本向け製品/ソリューションの開発に躊躇する可能性もあろう。

アジア・太平洋地域で、対照的に素早い動きを見せたのが中国だ。工業・情報化部(MIIT)は2023年、6GHz帯の全部または一部をIMT用途に割り当てることを決めた。同帯域を使う既存業務との共用条件などはこれから整備されるが、いち早い動きには、中国が6GHz帯をいかに重要視しているかがうかがえる。