ソフトバンクGとOpenAIの合弁会社が本格始動 宮川社長「Crystalは異次元」

ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏

ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏

ソフトバンクは2025年11月5日、2026年3月期 第二四半期(2Q)決算説明会を開催。あわせて、ソフトバンクグループと米OpenAIの合弁会社「SB OAI Japan」を設立し、2026年中に企業用AI「Crystal intelligence」(以下、クリスタル)を日本企業へ提供開始すると発表した。

両社は今年2月、クリスタルを日本企業へ独占販売することで合意し、ソフトバンクグループは“第1号ユーザー”としてクリスタルを試験的に活用・導入している。ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏は、クリスタルについて「異次元だ。企業の仕事のあり方がガラっと変わるだろう」と話した。

詳細は明かさなかったものの、「手入力ではなく、語りかけるだけで回答を得られる。業務ワークフローを自動生成できる点も特徴で、Q&AのキャッチボールにとどまるChatGPTとは異なる」と説明した。

SB OAI Japanの会社概要

また、決算会見同日には、子会社のSB Intuitionsが開発したLLM(大規模言語モデル)「Sarashina mini」のAPIサービス「Sarashina API」の提供を11月28日よりスタートすると発表した。

Sarashina APIは、AIが自然な文章を生成する「Chat Completion API」と、文章の意味を理解して関連情報を抽出する「Embeddings API」という2つの機能で構成されている。自社のシステムと連携させることで、文章の校正・要約、レポート・議事録の自動生成などに活用できるという。

700億パラメータと軽量なSarashina miniは、コールセンターの自動応答システムなどでの活用を見込んでいるという。「学者がするような仕事にはOpenAIのLLM、コールセンターにはSarashina miniを使うといった棲み分けになると思う」と述べたうえで、「最終的にはOpen AIが開発するLLMの知能レベルに追いつきたい」とした。

Sarashina APIの概要
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