AIの「次」に備える、NRIセキュアが説く「ちょうどいい」ガバナンスとは

野村総合研究所(NRI)は2026年8月28日に第413回NRIメディアフォーラムを開催し、「エマージングテクノロジー(新興技術)」のセキュリティを解説した。

エマージングテクノロジーとは単に新しい技術を指すのではなく、将来的に社会へ大きな変革をもたらす可能性を持つ技術のことだ。最先端技術といえば、現在はフロンティアAIがあらゆる産業を席巻しているが、NRIセキュアテクノロジーズ(NRIセキュア) グローバル・リサーチコンサルティング部でグループマネージャーを務める木村匠氏は「AIはエマージングテクノロジー全体で見ると、ほんの一部でしかない」と強調した。

デジタルツインや量子技術、バイオテクノロジー、ロボティクス、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)など、AIの他にも社会を変えうる技術が数多く控えている。

技術の融合が生む想定外の脅威

木村氏は、エマージングテクノロジーは利便性とともに脅威をもたらすものであり、その対策の必要性を訴えた。

具体的に、どのような脅威をもたらしうるのか。同氏は、英国科学・イノベーション・技術省(DSIT)が2025年に実施した調査研究を紹介した(図表1)。イノベーションは、複数の異なる技術の融合によって生まれるケースが多いが、その「技術の融合(テクノロジーコンバージェンス)」に着目し、融合によって実現されることと想定されるセキュリティ脅威を分析したものだ。

図表1 英国DSITによる調査研究で示された技術の融合により実現されることと想定される脅威

図表1 英国DSITによる調査研究で示された技術の融合により実現されることと想定される脅威

例えば、AIとデジタルツインを組み合わせれば、道路や橋といった物理資産の予測的なメンテナンスが可能になる。だが、デジタルモデルに誤ったデータが注入されれば、デジタル上の改ざんが物理世界の損傷を引き起こし、人命に関わる被害に発展しかねない。

ロボティクスとBMIの融合による生活支援では、脳波データの漏えいが懸念される。現時点では読み取れないとしても、将来的に思考や感情といったセンシティブな情報が抽出される可能性はゼロではないと木村氏は指摘した。

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