SCSK・ネットワン・TechShareがエヌビディア技術活用のフィジカルAIで協業

SCSK、ネットワンシステムズ、TechShareの3社は2026年2月25日、エヌビディア技術を活用したフィジカルAI分野での協業を開始したと発表した。日本の生産年齢人口減少の解決策としてロボット活用の期待が高まるなか、自律動作するAIロボット(フィジカルAI)の社会実装を加速させることを狙う。

同協業では、SCSKがエヌビディアのロボティクスシミュレーション環境「NVIDIA Isaac Sim」や世界モデル基盤「NVIDIA Cosmos」を活用し、仮想空間上で多様なシナリオを再現して高精度な合成データを生成する。デジタルツイン環境も構築し、効率的なデータ生成手法を検証する。

生成したデータは、ネットワンシステムズが保有する高度AI基盤上で学習させ、模倣学習モデルを構築する。同社は低遅延・高効率なインフラ環境で推論性能を検証し、同社イノベーションセンター内の「NNOVATION SHOWCASE」でのデモを通じて顧客との共創も進める。

ロボットベンダーのTechShareは、ロボット実機の提供と技術支援を担う。構築したモデルを実機で検証し、その結果を学習データにフィードバックすることで、推論精度の継続的な向上を図る。ハードウェア仕様や学習プログラムの最適化についても知見を提供する。

デジタルツイン技術を活用したフィジカルAIの概念図。中央に「Digital」と「Real」を結ぶ楕円状のループが描かれ、デジタル空間と現実世界を往復する学習サイクルを示している。上部には「デジタルツイン技術によりデジタルとリアルの双方向のループを繰り返すことで、自律的に最適な判断と行動ができるフィジカルAIを開発」との説明。

右側のデジタル領域では、NVIDIA Omniverse上で現実の3D環境を再現し、NVIDIA Cosmosを用いて照明や素材など多様な条件の合成学習データを大量生成する様子を図示。左側のリアル領域では、生成した学習モデルをAMRやヒューマノイドロボットに適用し、現実世界(Edge)での動作結果を再びデジタル空間へ反映する流れを示している。

3社協業における実証内容

3社は、仮想空間で生成した高品質データの活用により、実機依存のデータ収集負担を軽減し、ロボット導入までの期間とコストの圧縮を目指す。具体的には、バラ積み部品のピッキングや整列、パレットへの積み付け・荷下ろしなど、従来自動化が難しかった非定型作業への適用を想定する。

実証は2月1日から開始しており、3月下旬まで行う予定。得られた技術と知見をパッケージ化し、模倣学習ソリューションとして2026年度中のサービス化を目指す。将来的には製造・物流に加え、医療やホームケア分野への展開も視野に入れるという。

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