シスコシステムズ、野村総合研究所(NRI)、NRIセキュアテクノロジーズは12月3日、日本企業のサイバーレジリエンス強化に向け、デジタルトラスト分野で協業を進めると発表した。3社は2025年10月に協業で合意しており、シスコのグローバル脅威インテリジェンスとNRIグループの運用・コンサルティング基盤を組み合わせ、新たなセキュリティサービスの共創を目指す。
サイバー攻撃が巧妙化する一方、企業が保護すべきIT資産はクラウドや生成AIの普及により拡大している。3社は、リアルタイムに脅威情報を収集・分析し、迅速・能動的に対応する仕組みの重要性が高まっている状況を踏まえ、日本企業向けに最適化したセキュリティサービスを共同開発する。
協業範囲は3分野。1つめは、企業システムのセキュリティアーキテクチャの共同設計で、NRIが展開する「NRIデジタルトラスト」にシスコのセキュリティ技術を組み込み、強靭な基盤構築を支援する。
2つめは、グローバル脅威インテリジェンスの連携。NRIデジタルトラストの「サイバーフュージョンセンター」において、NRIセキュアのインシデント対応サービスとシスコの脅威インテリジェンス、さらにSplunkのデータ分析基盤を接続する。まず2025年内に、脅威インテリジェンスをNRIセキュアのログ監視基盤と連携させ、監視高度化を図る。その後、共同で新サービス創出を進める。
3つめは、企業で対応が急務となっているAIセキュリティおよび耐量子計算機暗号(PQC)分野のソリューション検討。3社の知見を持ち寄り、将来の暗号基盤やAIリスクを踏まえた対策モデルの開発を目指す。