IDC Japanは2018年10月25日、国内データセンター向けネットワーク機器市場の実績と予測を発表した。2017年～2022年の年間平均成長率（CAGR）はマイナス1.2％となり、これまで成長を続けてきた同市場はマイナス成長市場になる。

製品分野別では、2017年のデータセンター向けイーサネットスイッチ市場は、パブリッククラウドサービス向けや企業の更改需要によって前年比17.7％の大きな成長を達成した。今後も需要は旺盛だが、100Gbイーサネットをはじめとする今後の主要速度／技術におけるポート単価の下落が著しく、2017年～2022年のCAGRはマイナス1.8％と予測している。

国内ADC市場は前年を大きく下回り、2017年は前年比マイナス17.1％。市場規模は203億円と、2010年以降で最も低くなった。同市場の2017年～2022年のCAGRは 0.5％でほぼ横ばいの見通しだ。

データセンター向けイーサネットスイッチ市場のベンダー動向としては、シスコシステムズが売上もシェアも伸ばした。また、アリスタネットワークスが2017年についに国内第2位に浮上した。クラウド事業者や大規模Webサービス提供事業者を中心に、汎用性／オープン性とベンダー製品としての信頼感の両立という側面で支持されているという。

IDC Japanの草野賢一氏は、「データセンター向けネットワーク機器ベンダーは、クラウドシフトとメガクラウド事業者の影響力拡大に即した製品戦略、技術戦略に転換すべきである。また、データセンターネットワークの技術的ヘゲモニー争いにおいても、ライバルはメガクラウド事業者であるという意識の下に、主導権維持に努めるべきである」と述べている。

国内データセンター向けネットワーク機器市場 支出額予測