行政特化型「公務AIエージェント」構築へ ソフトバンクと自治体DXスタートアップが協業

ソフトバンクは、自治体業務の効率化に向けて、スタートアップのWiseVineと戦略的提携を結んだ。WiseVineが開発する自治体向け予算編成・経営管理システム「Build & Scrap」を計100自治体へ5年間無償で提供する。行政分野に特化した「公務AIエージェント」の構築にも取り組む。

愛媛県は30%以上の業務効率化、数十万枚規模のペーパーレスを実現

Build & Scrapは、現状把握から予算編成、執行管理まで、各業務のデータをクラウド上で一元管理できる。前述の通り、自治体ではデータが紙やExcelなどに分散し、各課からの回収・集計や過去資料の検索などに手間がかかっていたが、こうした作業を効率化できるという。

また、前年度予算との差分比較や、過去数年分の予算・事業データを横断した分析、KPI(重要業績評価指標)の可視化などにも対応。「どの事業に予算を付け、どの事業を見直すか」といった意思決定までを支援する。

Build & Scrapの特徴

すでに愛媛県や新潟県、長野県などの自治体で導入されており、愛媛県では財政課や各部局の予算担当課で30%以上の業務効率化を実現。愛媛県全体で数十万枚規模のペーパーレス化にも成功しているという。

導入効果

公務AIエージェントは2030年以降に本格稼働

公務AIエージェントについては、Build & Scrapに蓄積された業務データや業務フローを土台に、AIエージェントが行政事務を自律的に進める仕組みの構築を目指しているという。

例えば、住宅改修支援事業(手すりの設置や段差解消などの改修費用を助成・給付する事業)では、募集準備から受付・審査、交付決定、支払い、評価までの一連の業務をAIエージェントが自律実行する。AIエージェントが判断できない場合には職員に指示を仰ぎ、交付決定や支払いなどの最終判断は職員が行う。

「AIエージェントが判断できない業務に直面すると、いったん処理を止める。職員が判断理由や対応方法を教えることで再び動き出し、これを繰り返すことで、当初60%程度だった稼働率を100%へ近づけたい」とWiseVine 代表取締役社長の吉本翔生氏は展望した。

公務AIエージェントの概要

同氏は、「2030~2031年頃を目途に、いずれかの自治体で公務AIエージェントを本格稼働させることを目指す」と語った。

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