ミリ波・低遅延配信の価値を実際の映像で確認
今回のイベントの中心となったのが、人物視点による4K60FPSライブ配信である。私の胸元にはアクションカメラ「DJI Osmo Action 5 Pro」を装着し、背面にはミリ波通信端末「SONY P DT-FP1」を装着した。構成としては比較的シンプルである。しかし、扱っている映像は非常に重い。

胸元にアクションカメラ「DJI OsmoAction 5 Pro」を装着し、背面にはミリ波通信端末「SONY PDT FP1」を装着して登壇。4K60FPSライブ配信を行った
4K映像はFull HDに比べて情報量が大きい。さらに今回は60FPSという高フレームレートで人物視点映像を伝送している。60FPSを採用した理由は、動きのある人物視点映像において、視線追従しやすく、酔いにくい映像を目指したためである。動きながら、かつ低遅延で配信するには、大容量・低遅延通信が不可欠であり、ここにミリ波の価値があると考えている。
イベント本番では、この構成を用いて実際に会場内を歩き回りながらライブ配信を実施した。下の画像をクリック、またはQRコードを読み取ると、イベント時の本番映像を見ることができる。人物視点ライブ配信の様子に加え、当日の会場が立ち見も出るほど盛況だったことも確認いただけるだろう。ミリ波や低遅延配信の価値は、言葉で説明するだけでは伝わりにくい。実際に映像を見ていただくことで、どの程度のリアルタイム感があり、どのような体験につながるのかを直感的に理解いただける。
XGMFブース・ミリ波イベント(2026年5月29日)の本番映像。
LMSで受信した4Kライブ配信映像をATOMOS NINJAで録画。
画面内のサブモニターには、同じLMS受信映像が表示されている
イベント中には、事前検証時に撮影した走行映像(下画像をクリック、またはQRコードから視聴可能)も紹介した。
この映像では、東京ビッグサイト西4ホール内を実際に走行しながら4K60FPSライブ配信を行っている。従来、4Kライブ配信は専用機材や固定的な構成を前提とするケースが多く、広いフィールドを走り回りながら4K60FPSライブ配信している映像は非常に貴重だと考えている。
東京ビッグサイト西4ホール事前検証(2026年5月21日)時の映像。
LMSで受信した4Kライブ配信映像をATOMOS NINJAで録画。
ワイプ内には、配信機材を装着して走行する撮影者の様子と、LMS受信側PC画面が一部映り込んでいる
さらに、ミリ波を活用すれば、このような人物視点映像を1系統だけでなく、複数系統同時に配信できる可能性がある。例えばスポーツ観戦であれば、選手視点、審判視点、監督視点、マスコット視点など、複数の「推し視点」を同時に届けることも考えられる。ライブ会場であれば、特定メンバーを追う視点、ステージ全体を俯瞰する視点、客席側からの視点など、複数の見方をユーザーが選べる世界も想像できる。
イベント後半では体験パートも実施した。チェストマウントで使用していたアクションカメラをジンバルへ付け替え、来場者自身にも体験いただいた。4K60FPS低遅延配信が比較的シンプルな構成で実現できることを、実際に体感いただく機会となった。
ここまで、5月29日に実施したイベントの内容をお伝えした。【後編】では、イベントに協力いただいた総務省、ソフトバンク、KDDI、WOWOWエンタテインメントの狙いや、イベント終了後に行った意見交換会についてもレポートする。















