NTT東日本がロボットとデジタルツイン、ビル施設とを連携
今回の取り組みは、NTT東日本が通信インフラやフィールドエンジニアリングの面で協力、さらに、ネイバーがデジタルツインや、カメラ画像を使ってロボットの自己位置等を判断する技術を提供した。

3社の役割と設備連携のイメージ
NTT東日本 マーケティング統括本部 ビジネス開発本部 無線&IoTビジネス部 先端無線/CPSビジネス担当 担当部長の増山大史氏は、「現場で培った通信技術とフィールドエンジニアリング力を活かし、ロボットを『使える技術』から『使われ続けるインフラ』へ転換することを目指す」と述べた。建物内の環境は常に変化し続けるものであり、フィジカルAI技術の進化を早期に取り込むことで、環境変化に柔軟に適応できるロボットを実装していくと展望した。
位置把握の仕組みは「人間と同じ」
本サービスでは、オフィスワーカーがLINEで商品を注文すると、デリバリーロボットが飲食店で商品を受け取り、7Fのオフィスまで届ける。NAVER LABS CorporationのRobotics Group Group Leaderのペク・ジョンユン氏は、ロボット自律走行の中核技術について次のように説明した。
まず、映像と点群データによってビル全体のデジタルツインを構築した。全37階のスキャン時間は6時間半、デジタルツインの制作まで約7日かかったという。
ただし、ビル内の施設や内装等は常に変化するため、「スマートフォンのカメラなどでデータを随時アップロードできるようにしている」(同氏)。その映像によって、ビル内環境の変化をデジタルツインに反映し続け、最新の状態を維持する。

NAVERが提供するデジタルツイン技術の概要
このデジタルツインと、ロボット管制を統合管理するのが、「ARC」と呼ぶプラットフォームだ。ロボットを管制するAIは、ロボットが送ってくるカメラ画像とデジタルツインを見比べてその位置を把握する。「VPS」(ビジョン ポジショニングシステム)と呼ぶこの仕組みにより、GPSが使えない屋内でも正確な現在位置を取得できるという。人間が目の前の景色を脳内の記憶に照らし合わせて、“ここはどこか”を把握するのと原理的には同じだ。

デジタルツインとARCを使ったスマホナビ
上の画像は、この仕組みをスマートフォンのナビゲーションアプリに適用したものだ。スマホカメラで撮影した画像をクラウドに送り続けることで、ARC上のAIがアプリユーザーの自己位置を把握し、目的地までの道案内をする。画像のアップロードにはビル内のWi-Fiを使用。説明員によれば、「それほど高画質な画像はいらない」ため、現時点では、このアプリのトラフィックによってビル内ネットワークの帯域が逼迫するといった懸念はないという。
スマホ画面上には、ARコンテンツを表示することも可能だ。例えば、蝶が目的地へ道案内するといった体験を演出できる。
このデジタルツインとARCプラットフォームは韓国でも利用実績があり、今後は他のロボットにも活用する方針という。今回の3者連携を発展させ、将来的にはスマートシティへの拡張も検討する。









