運用保守と設定がより容易に
UCゲートウェイと組み合わせて使うのが、SaaS型の統合運用管理プラットフォームであるUCマネージャーだ。遠隔監視やデータ設定などがブラウザから一元的に行える。2025年9月からCX-01/MX-01向けに提供していた統合運用管理プラットフォームの拡張版で、UCゲートウェイ向けに提供する。
そのメリットの1つは、運用保守業務の省力化だ。「これまで販売パートナーにとっては、現地対応が大きな負担だったが、リモートで作業が完結できるようになる」と同社 ネットワーキング事業部 テレコミュニケーション本部 担当本部長の前田昌美氏は話す。ダッシュボードで複数拠点の稼働状況を可視化できるほか、ソフトウェア更新やログ収集もリモートから実行できる。また、UCマネージャーの管理画面は、ユーザー企業にも開放可能で、マルチテナント機能にも対応する。
設定自体も簡単になった。「日立のPBXは従来、コマンドラインによる設定が一般的で、熟練者でないと難しかった。しかし、若手の技術者などが簡単に設定できるよう、GUIでも操作できるようにした」(前田氏)。
例えばIVRの設定については、これまで数十個のコマンドを打ち込む必要があったが、UCマネージャーではGUIの指示に従っていけば完了するという。
今後はAI機能の取り込みも検討しており、自然言語での設定補助やレポートの自動生成なども視野に入れる。

(左から)日立情報通信エンジニアリング ネットワーキング事業部 事業主管 鈴木達也氏、
同事業部 テレコミュニケーション本部 担当本部長 前田昌美氏
Audio+Video DXでLumadaへ
こうした特徴を持つUCゲートウェイとUCマネージャーで構成されるUCサービスにおいて、日立情報通信エンジニアリングが目指すのは、従来のPBXの枠を超えたエコシステムの構築だ。
TeamsやCisco Webex等の様々なアプリケーション/サービスとの連携に加えて、「UCゲートウェイをIoTセンサーなどとの連携基盤にしていくことも考えている。さらに我々がこれまで培った音声技術、エンジニアリング力を強みとしてAudio・VideoのDX化に貢献していきたい。そのAudio・VideoのDX化が、Lumadaにもつながっていく」と鈴木氏は説明する。日立グループは今、社会インフラに関する知見とAIを掛け合わせる「Lumada 3.0」でフィジカルAIに注力しているが、これにUCの側から寄与していく考えだ。さらに、アライドテレシス、シスコシステムズ、HPE Networkingなどとのパートナーシップにより、Wi-Fiアクセスポイント、スイッチ等も統合的に運用管理できるプラットフォームへの発展も図っていく方針だ。
PBX市場は長らく横ばい・縮小傾向が続くが、そうしたなか次世代へとバトンをしっかり引き継ぐため、部品の汎用化を図りながらUCビジネス拡張の方向性を示した日立情報通信エンジニアリング。「こうしたエコシステム拡大により、新たな収益が得られるUCサービスを販売パートナーとともに作り上げたい」と鈴木氏は強調した。
[月刊テレコミュニケーション 2026年7月号の記事を再構成]













