KDDIは2022年12月1日、静岡県熱海市初島で、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」をau通信網で利用開始したことを発表した。携帯電話基地局をモバイルコアに接続するバックホール回線として利用する。

StarlinkはスペースXが開発・提供する衛星ブロードバンドインターネットサービスだ。従来の静止軌道衛星よりも地表に近い低軌道（高度550km）上に衛星を配置することで、大幅な低遅延と高速伝送を実現している。基地局のバックホール回線には遅延の量や揺らぎ、上りと下りの帯域容量などの技術的なガイドラインを満たすことが求められるが、2021年9月から国内で行ってきた品質検証を完了し、光ファイバー回線を利用したau基地局と比較して遜色ない品質を提供できることを確認したことから、利用を開始した。

「Starlink」をバックホール回線として利用する基地局

これにより、光ファイバー回線を利用してau基地局を展開するエリアに加えて、山間部や島しょ地域など光ファイバー回線を敷設しづらい地域を補完することで、auの高速通信エリアを日本中に展開できるようになる。今後、全国約1200カ所に順次提供を拡大していくという。

また、KDDIは国内の法人企業や自治体向けに、Starlinkをバックホール回線としたau基地局の構築ソリューションの提供も開始する。