ローカル5Gサミット2021 講演資料ローカル5Gの円滑な導入に貢献する2つの電波シミュレーションツール

ローカル5Gの導入において電波状況を把握することは重要なプロセスである。事前の基地局設置検討から免許申請時のカバーエリア図の提出、他事業者との干渉調整や運用エリア最適化などのフェーズにおいて、電波伝搬状況をシミュレーションで解析した情報を元に導入作業を進めることが重要である。

KCAMP(キャンプ)は、ローカル5G/BWA の無線局免許申請に必要となる「カバーエリア図」を作成するための専用ツールである。ローカル5Gはミリ波帯/Sub6帯に、BWAは自営等/地域BWAに対応している。電波法関係審査基準に準拠した計算式を用いて受信電力分布を計算し、地図上にカバーエリアと調整対象区域を描画する。カバーエリア図は免許審査の判断材料とされる他、基地局間で干渉調整する際の資料でも利用される。

一方で、審査基準の計算式は距離に応じて電波が減衰するシンプルなモデルであるため、建物や機材什器などの電波遮蔽物による影響を考慮した精密な分析が必要な場合がある。Wireless InSiteはレイトレース法という解析手法を用いた汎用的な電波伝搬シミュレータであり、遮蔽物による電波の反射・回折・透過の影響を解析する。

これらのツールを組み合わせて活用することで円滑な導入が可能になる。

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