ICT×未来

最新のデータセンター技術で再構築

電話局を変革する「CORD」とは何か?

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2017.05.16

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

「次世代」の電話局の実現に向けた技術検討が進んでいる。通信事業者の局舎設備をSDN/NFVと汎用ハードウェアで再構築しようという米CORDプロジェクトだ。

 
通信事業者の局舎、いわゆる電話局の設備を最新のデータセンター技術で再構築しようという開発プロジェクト「CORD(Central Office Rearchitected as a Datacenter)」に対する期待感が、世界中の通信事業者の間で高まっている。

現在の電話局は、サービスごとに異なる専用装置で構築されている。しかも、その多くにベンダーの独自仕様が用いられている。データトラフィックが急増し、またサービスの多様化も進む中で、このような複雑な設備構成は、CAPEX/OPEXの増大を招き、迅速なサービス展開のネックともなっている。

そこでCORDでは、こうした既存の局舎設備の多くを、データセンターで広く用いられている汎用ハードウェアに置き換え、SDN/NFV技術を適用することで、通信事業者が抱える課題の解決を図ろうとしている。

グーグルやフェイスブックなどのOTTプレイヤーのデータセンターは、汎用ハードウェアとSDN/NFV技術を活用し、運用の効率化やサービス開発の迅速化などですでに大きな成果を挙げている。この成功モデルを通信事業者用にアレンジし、電話局をデータセンターとして再構築しようというプロジェクトがCORDといえる。

グーグル、コムキャストも参加CORDは、通信事業者のニーズに対応できるSDNコントローラーの開発を目的に2012年に発足したオープンソースの開発プロジェクト「ONOS(Open Network Operating System)」のユースケース検討グループの1つとして活動を開始した。その後、ONOS内で扱うには検討対象が広くなり過ぎたことなどから、2016年5月に独立したオープンソースプロジェクトとして改めてスタートを切った。

CORDは、ONOSを主導する非営利の研究組織、米オープンネットワーキングラボラトリー(ON.LAB)によって運営されており、ONOSに参画しているON.LABのパートナー企業の大半がCORDにも参加している。

昨年7月末時点でのON.LABのパートナーは16社だ。通信事業者・サービスプロバイダーではAT&T、NTTコミュニケーションズ、SKテレコム、ベライゾン、チャイナユニコム、グーグル、ベンダーではNEC、インテル、富士通、シエナ、エリクソン、シスコシステムズ、ファーウェイ、ノキア、ラディシス、サムスンが参加している(エリクソン、ファーウェイはONOSのみへの参加)。昨年7月のグーグルに続き、12月に新たに米CATV大手コムキャストが加わるなど、通信事業者以外にも広がりを見せている。

また、これらパートナー企業だけではなく、CORDでは、コラボレーターと呼ばれる企業・団体も多数参加して仕様作りを進めている。

日本の通信事業者では現在唯一のパートナーとしてONOS/CORDに参加するNTTコミュニケーションズの柏大氏は「当社は、ONOSの発足時にAT&Tともに通信事業者では最初のパートナーとなった。CORDはその後出てきたものだが、オープンな技術でどこまで実用的な仕様が実現できるか期待している」と語る。

NTTコミュニケーションズ 技術開発部 担当部長 柏大氏
NTTコミュニケーションズ 技術開発部 担当部長 柏大氏

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

recomot1705
qloog1705
macnica1705

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】FUTURE NETWORK
    未知なるネットワークとの遭遇

    2020年5Gの旅/地球丸ごとIoT化計画/NWに知性が宿る
    IPの“限界”を超える日/人類未踏のテラヘルツ波 ほか

● NTTコミュニケーションズ 取締役 ネットワークサービス部長  大井貴氏
● モバイルセキュリティ最新動向  ● NB-IoT商用化の準備整う!
● ドコモ・KDDIのドローン戦略 ● 仮想化でビーコン運用の課題を解決

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
ヤマハWLX402

スペシャルトピックス

中堅・中小企業を支援する宝情報がUTMのサポートサービスを開始する。

教育現場への無線LAN導入を成功させるための3つのポイントとは?

スマートデバイスを標的にした未知の不正アプリにも対応できる。

設計から製造までセキュアなプロセスで、他のAndroidにはない安全性。

Webサイトの利便性とセキュリティ向上を同時に実現できる最適解とは?

ランサムウェア対策機能などを備えたSMB向けクラウドサービスが始まる。

東京海上日動コミュニケーションズの「働き方改革」を徹底レポート。

モバイルの安全な業務利用を実現するEMMが“次の進化”を始めている。電話やチャット、つまりUCとの連携だ。

いつものUIでSkype for Businessの機能をフル活用できる電話機が登場。

マクニカネットワークスが取り扱うIncapsulaはDDoSだけでなく、Webサーバーへの不正アクセスも防御する。

オンプレミスとクラウドの連携により、数百Gbpsのボリューム型から複雑なDDoS攻撃まで効率よく対応できる。

IPカメラのためにスペックを作り込んだ、ヤマハのシンプルL2スイッチ!

搭載するOS/ソフトを選べる「ホワイトボックス」で自在にデザイン

ウォッチガードのセキュリティ対策がさらに大きく進化した。

セキュリティ専門会社「ラック」との協業でサイバー攻撃に素早く対応

SD-WANの選定ポイントは何か? ユーザーの体感品質を高める独自機能を提供するのがシトリックスだ。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション5月号
isobe0523
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます