ホワイトボックススイッチ特集【第2回】「ホワイトボックススイッチ」を賢く活用し、4つのメリットを手に入れる

FacebookやGoogleといった超巨大クラウド事業者以外でも、導入機運が高まっているホワイトボックススイッチ。今回は、ホワイトボックスの基本的な使い方とその導入メリットを整理する。

図表は、ホワイトボックススイッチの使い方を示したものだ。

ホワイトボックススイッチは一度OS/ソフトをインストールした後も、必要ならOSを変更したり、OS上で稼働するアプリケーションを開発して機能を追加することもできる。その際に一からすべて開発する必要はなく、既存のOSをカスタマイズして足りない機能を補ったり、他システムとのインテグレーション部分だけを開発することも可能だ。

図表 ホワイトボックススイッチの活用方法
図表 ホワイトボックススイッチの活用方法

従来型スイッチの場合、別のOSの機能を使いたければスイッチを買い直す必要があったが、ホワイトボックススイッチなら、ハードは継続して用いながら中身だけ替えることができる。もちろん、逆にハードを替えて、OS/ソフトを継続して使うことも可能だ。

ハードとソフトのライセンスが紐付いていないため、不要になった方を捨てたり、入れ替えたり、機能を追加することが柔軟にできる。ベンダーロックインを排除し、ユーザー主導でライフサイクルをコントロールできるようになるのだ。

“壊れたら取り替える”で十分このようにハードとソフトの依存性がないことが様々なメリットを生み出す。

1つは、常に最適なハード性能とソフト機能を選択し、組み合わせて使えることだ。従来型スイッチでは適用する場所によってどうしても“余計な機能・性能”が生じがちだった。ホワイトボックススイッチなら、機能・性能をネットワーク全体で最適化できる。

2つ目はコスト削減だ。上記のように、目的に応じて必要十分な機能・性能を持つハード/ソフトが選択できることで導入コストを低減できるが、効果はそれだけではない。むしろ注目すべきは、運用コストの削減効果にある。

これまで高機能なネットワーク機器は、24時間365日対応のオンサイト保守のような手厚いサポートを付けて、壊れたら迅速に修理して使い続けることを前提としてきた。ホワイトボックススイッチではその前提が変わる。つまり、ソフト機能は使い続けながら、ハードは壊れたら代替機に交換することが可能になるのだ。

OSが入っていない安価な予備機を用意しておけば、稼働中のハードが壊れた際に、予備機に取り替えてソフトをインストールするだけで済む。壊れたハードはゆっくりと修理するか、あるいは捨てて高性能なものに買い替えてもいい。高額な保守費を支払う必要はなく、低額なセンドバック保守で事足りるのだ。

月刊テレコミュニケーション2016年8月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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