東京電力柏崎発電所・緊急時対策の情報連絡ツール――事故経験を踏まえ5システムを独自開発

東京電力は、このほど柏崎刈羽原子力発電所における、「緊急時対策所」の情報共有ツールを公開した。

東京電力は、福島原発事故の反省に立って、様々な安全対策に取り組んでいるが、その一環として、独自の情報共有ツールをシステム開発した。発電所・本社の情報共有、国や関係機関に対する情報提供が不十分であった教訓を踏まえた取り組みだ。

東京電力の柏崎刈羽原子力発電所、現在休止中

公開されたのは、①発話記録システム、②重要情報共有ツール、③社外派遣者との情報共有ツール、④聖徳太子システム、⑤手書きパッドの5つだ。これらのシステムはすでに、利用の習熟に向けた活動が行われているという。

リアルタイムのチャットシステム構内には緊急時対策所を設置。ここに全ての情報が集められ、ここから情報が発信される。

号機毎にスタッフが集まり情報収集する緊急対策所(上段)、緊急時の司令塔となる本部室

①発話記録システムとは、緊急時対応のキーマンの発言内容を、関係者がリアルタイムに共有するシステムで、意思決定・重要情報記録の電子化を進める「チャットシステム」と呼んでいる。

所長や東京電力本店のキーマンの発話内容が時系列にすべて表示される。また、たとえば所長など特定の発話だけに絞って時系列で表示することも可能だ。パソコン利用を想定している。

①チャットシステムの画面(クリックで拡大)

②重要情報共有ツールは、発電所内設備の主要データは「緊急時対策所」や国、本社にリアルタイムで送信されているが、万が一、事故によってこうしたネットワーク手段を喪失した場合も、重要パラメーターを共有可能なようにフォーマットを策定し共有できるようにしているシステムのこと。「DEC(設計拡張状態:設計ベースを超える状態)管理表」の入出力の仕方のことを指すという。

②重要情報共有システムの画面(クリックで拡大)

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