キーパーソンが語る

「通信事業者は3タイプに今後分かれていく」――米HPに聞く“破壊的技術”のインパクト

構成◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2015.08.05

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ARPUの低下やOTTとの競争の激化などにより、通信事業者の収益拡大が難しくなっている。ヒューレット・パッカード(HP)が今、力を入れているのが、収益拡大につながる「破壊的技術」の取り込みと活用だ。同社エンタープライズサービス コミュニケーション&メディアソリューソンズ(CMS) CTOのジェフ・エドルンド氏に聞いた。


――通信事業者のビジネスの将来性をどう見ていますか。


エドルンド 我々は通信事業者のビジネスが、今、大きな変化に直面していると考えています。技術的、社会的、経済的、そして規制面において対応が難しい破壊的な力が押し寄せてきています。これにきちんと対処していかなければ通信事業者の既存のビジネスが消失してしまう危険すらあるのではないでしょうか。

例えば、IPネットワークの登場により通信事業者とOTTが同じ土俵で競争するケースが増え、収益の確保が難しくなってきています。ネットワークコストが増大する一方で、ユーザー料金は低下傾向にある。どこで利益を稼ぎだしていくかが通信事業者にとって大きな課題になっているのです。こうした変化に対応できるよう通信事業者を支援していくことが、HPのミッションになっていると考えています。

――通信事業者は今後どのような形で収益を伸ばしていくことができるのでしょうか。

エドルンド HPでは通信事業者のビジネスは大きく3つの方向で伸びていくのではないかと考えています。

1つが、ネットワークアクセスとトランスポートの事業です。このビジネスは電力と同様に規制の強い分野で、利益率は高くはありませんが、確実に収益を得ることができます。

2番目が、我々がインフォメーション及び金融サービスと呼んでいる事業で、ネットワークから得られる情報をビッグデータとして解析して他の企業に販売したり、それを活用してコンサルティング事業を行ったりするモデルです。このビジネスは、収益率はやや高くなりますが、事業の成功可能性は低くなります。

最後が、我々がサービスファクトリー及びサービスショッピングモールと呼んでいるもので、大きな成長が見込める分野だと見ています。例えばサービスプラットフォームを活用して迅速にサービスを開発し、うまくいきそうなものがあれば、サービスポートフォリオに組み込んでいく。このモデルではOTTとして他の事業者のユーザーにもサービスを提供していくことも考えられます。

通信事業者はこの3つのビジネスを全て手掛けることもできますが、いずれかの分野に集中することで、より多くの価値を引き出すことが可能になるはずです。

我々は今後、通信事業者はこれらのいずれかに軸足を置く3タイプの会社に分かれていくのではないかと見ています。

――そうしたタイプの事業を展開している通信事業者はあるのですか。

エドルンド 最初のネットワークアクセスに特化した事業者の例に米国のXOコミュニケーションズがあります。魅力ある料金プランを提供することで、利益率も維持しています。

サービス分野に特化したものでは、通信事業者ではありませんがグーグルのビジネスが参考になると思います。OTTとして数十のサービスを柔軟に提供していますし、ネットワークを介して収集したデータを分析し、サービスや広告事業に活用しています。
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