ドコモが「5G総合実証試験」の成果を発表、エンタメ・医療などの分野で効果を確認

NTTドコモは2018年3月26日、総務省の「第5世代移動通信方式(以下、5G)の実現による新たな市場の創出に向けた総合的な実証試験」で実施した各種実証試験の成果を発表した。2017年6月から2018年3月までの期間に17の自治体、企業、大学などの各パートナーと協力して実施したもの。

ドコモは「人口密集地において10Gbpsを超える超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」を実施主体として請け負い、「エンターテインメント」「スマートシティ/スマートエリア」「医療」の3つの応用分野において、4.5GHz帯および28GHz帯の5G無線装置を用いたサービス・アプリケーションの実証試験を実施した。

「エンターテインメント」分野では、東京スカイツリータウン等の都市部エリアにおいて、4K高精細360度カメラで撮影した映像を伝送し広視野角ヘッドマウントディスプレイで視聴するVR(Virtual Reality)エンターテインメント、8kマルチチャンネルMMT伝送、MR(Mixed Reality)技術を用いた新しいコミュニケーションスタイルの検証等に関する実証実験を実施。5Gの超高速通信を活用した新しいエンターテインメントサービス様態の可能性やサービス視点での5G性能を確認した。


東京スカリツリー帯雲における実証試験

また、ドコモが東京スカイツリータウンに構築した「5Gトライアルサイト」では、屋外環境において最大10.2Gbpsのスループットを確認した。

「スマートシティ/スマートエリア」分野では、東京都において、監視カメラや警備員が携行するウェアラブルカメラなどを想定した警備映像を、監視センター・警備員間で共有する高度化警備サービスに関する実証試験を実施。5Gにより顔照合精度の改善等が実現され、正確な状況把握やインシデントへの対処時間の短縮を図れることを確認した。

「医療」分野では、和歌山県において、都市部の総合病院と山間部の診療所とを5Gを含む高速通信ネットワークで接続。高精細映像を活用した遠隔診療サービスに関する実証試験を実施し、5Gの超高速通信により問診用の4KTV会議システムに加え、診断用の4K接写カメラ映像や超音波映像診断装置(エコー)・MRIなどの医療機器の映像をリアルタイムに伝送することで、遠隔診療サービスの高度化や医師の負担軽減ができることを確認した。


遠隔診療に関する実証試験

また、ドコモは、NTTコミュニケーションズが実施主体となる「高速移動時において2Gbpsの高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」にも参画。28GHz帯の5G無線装置を用いて、電車・高速バスなどを想定した時速90キロで移動する高速移動体に対して4K高精細映像を伝送する試験を実施した。

富士スピードウェイ(静岡県)における自動車に対する伝送試験では、時速90キロで最大2.24Gbpsを達成、東武鉄道日光線(栃木県)における走行電車に対する伝送試験では時速90キロで最大2.90Gbpsを達成し、基地局間ハンドオーバーにも成功した。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。