“LTEへのスムーズな移行を実現”―― NECがモバイルバックホール向け「新型パソリンク」を発表

モバイルバックホール向けマイクロ波通信システム「PASOLINK」を提供するNECが、TDM/パケット両方式に対応する新プラットフォームを採用し、2Gから3G、LTEへのスムーズな移行を実現する新製品を発表した。

NECは2010年9月1日、通信事業者向け超小型マイクロ波通信システム「PASOLINK(パソリンク)」の新製品として「iPASOLINK(アイパソリンク)」シリーズを発表した。

iPASOLINKは、マイクロ波送受信部のODU(Outdoor unit、左写真)と、変復調部のIDU(Indoor unit、右写真)で構成される。写真のIDUは、9月1日から販売開始する、アクセス領域向け「iPASOLINK 200」

PASOLINKは、携帯電話等の移動体通信システムにおいて、点在する複数の基地局を収容してコアネットワークに接続するモバイルバックホールを構成するための製品だ。専用アンテナを主体とするマイクロ波送受信部(ODU:Outdoor unit)、変復調部(IDU:Indoor unit)ともに小型・軽量で、有線ネットワークに比べて工期を短縮できるのが特長。固定網における中継回線や企業でのビル間通信などにも用いられるが、近年はモバイルネットワークの無線基地局間を結ぶ接続回線として移動体通信事業者での採用が急増した。世界141カ国への納入実績があり、現在までに累計150万台を出荷している。

PASOLINKの特長(クリックして拡大)

新製品であるiPASOLINKシリーズは、モバイルデータトラフィックの急増への対策、LTE等の次世代ネットワークへの移行といった通信事業者のニーズに対応して開発されたものだ。

NEC・キャリアネットワークビジネスユニット・グローバルキャリアソリューション事業本部の中田博也副事業本部長

NEC・キャリアネットワークビジネスユニット・グローバルキャリアソリューション事業本部の中田博也副事業本部長はモバイルバックホールの現状について、「モバイルユーザーの利用が音声からデータ主体へと変化したことでデータトラフィックが急増しているが、通信事業者は定額料金プランを採用しているため、収益はそれに比例して増加しない。これは、すべての通信事業者に共通の課題だ」と説明。iPASOLINKシリーズには、その対策として、従来のTDMからパケットベース(ATM/IP)のネットワークへの移行によってトラフィック転送を効率化するとともに、複数の通信サービス方式を一元収容して運用・設備コストを削減する「モバイルバックホールの高度化」(中田氏)を実現するためのさまざまな機能を搭載した。

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