企業ネットワーク最前線

シスコの「企業向けNFV」の実力――WAN機能の追加・展開が10分で完了

文◎坪田弘樹(編集部) 2016.11.04

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

シスコシステムズが、仮想ネットワーク機能を自由に組み合わせて拠点ルーターに素早く展開できる「エンタープライズNFV」を2016年内にリリースする。既存資産をベースに導入できるのも売りだ。

 

シスコシステムズが企業向けNFVソリューション「エンタープライズNFV」の年内発売を準備している。ルーティングやファイアウォール(FW)等のネットワーク機能を仮想化して1台のハードウェア内で稼働させるもので(図表1)、機能の追加・変更、拠点への展開を迅速に行えるようにする。

 


図表1 エンタープライズNFVの導入効果[画像をクリックで拡大]
図表1 エンタープライズNFVの導入効果

 

同社はこれまでもルーターの「Cisco ISR」やFWの「Cisco ASA」等の仮想アプライアンス版と、それらを管理・制御するコントローラ製品として「Prime Infrastructure(PI)」や「APIC-EM」を提供してきた。エンタープライズNFVは、それらの製品をより使いやすくし、企業ネットワークのNFV/SDN化を促進するものだ。

既存製品+αで企業向けNFV「エンタープライズNFVを構成するコンポーネントの大半は既存製品。これまでも仮想アプライアンスを使っているお客様はいたが、運用が面倒だった。エンタープライズNFVによって、それが非常に簡単になる」

そう話すのは、システムズエンジニアリング担当執行役員でSDN応用技術室長を務める財津健次氏だ。エンタープライズNFVの構成要素を示したのが図表2だ。青色が既存製品で、これに「Enterprise Service Automation(ESA)」「Network Functions Virtualization Infrastructure Software(NFVIS)」の2つを加えて構成される。

 


図表2 エンタープライズNFVの構成要素
図表2 エンタープライズNFVの構成要素

 

ESAは、いわゆるオーケストレータだ。ESAのGUIで使いたい機能を設定し(右下画像)適用先の拠点を選ぶと、①それを実現するようAPIC-EMとPIに指令を出す。次に、②APIC-EMがプラグアンドプレイ機能によってハードウェアとハイパーバイザのNFVISに設定を行い、仮想化されたネットワーク機能(VNF)をインストールする環境を整え、③PIがVNFのプロビジョニングを行う仕組みだ。

これまでシスコの仮想アプライアンスを使う場合には②③を手動で行い、かつ、FWはFWの、WAN高速化はWAN高速化の画面でそれぞれ個別に行う必要があった。それを、ESAで設定するだけで全自動化できるのがエンタープライズNFVの売りだ。システムズエンジニアマネージャーの松崎虎雄氏によれば「VNFを4つ使う場合で約10分、2つなら5分でプロビジョニングが完了する」。大規模なWANほど運用負荷の削減効果は大きい。

 

ESAの画面例
ESAの画面例。使いたい機能のアイコンをドラッグアンドドロップで配置し、任意のネットワークと配線するかたちで設定プロファイルを作り、それを拠点ごとに適用する。ネットワークの種類ごとにオススメの機能を自動設定してくれる機能も備える

 

なお、ハードウェアはISR4000と、サーバーの「Cisco UCS-C」の2種類が使え、汎用x86サーバーも選択可能だ。ISR4000では稼働させられるVNF数が1~2個と少ないが、サーバーモジュール「Cisco UCS-E」を追加すれば、容量を拡張して複数のVNFを運用することもできる。もちろんUCS-Cはより大容量だが、財津氏は「拠点ルーターをサーバーに移行させようという考えはない。既存のISR4000に機能を加える感覚で使ってほしい」と話す。

また、VNFはシスコ製だけでなく、サードパーティ製品の搭載も可能だ。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

caso1804
ted1804
palo1804

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】IoT FUTURE CITY
 [IoTは暮らしをどう変えるか]“おらが街”もデジタル化
 [柏の葉スマートシティ]IoT事業創造の一大拠点に
 [Fujisawa サスティナブル・スマートタウン]持続的に成長する街を
 [Fukuoka City LoRaWAN]IoTで変化を生み出す街


◆[インタビュー] NEC 河村厚男常務「キャリア事業を構造改革」 ◆「日中間通信」の課題と攻略法 ◆ソフトバンクが日本初のNB-IoT ◆モバイル市場の公正競争の今後 ◆急成長するシスコの“サービス”事業

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

CASO新技術のホワイトボックス
M2Mルーターは「切れない接続」

Foxconnグループでホワイトボックスを展開するCASO。

東京エレクトロンデバイスグローバル企業のSaaS活用を後押し
マルチクラウド化の準備はCASBで

マルチクラウドを一元的に管理したい。そんな望みを叶えられる。

拠点・モバイルをつなぐだけ!
クラウドの安全はシンプルに守る

クラウド利用の拡大とともに複雑化するセキュリティ課題を解決!

NetskopeCASBでクラウドはどこまで操れるか
既存のセキュリティとどう違う?
 

Netskopeを例にCASBの機能と使い方、メリットを整理した。

ソフトバンクソフトバンクがSMB向けの
ソリューションパートナー募集!

働き方改革を中心に新たなソリューション開発を支援する。

日本マイクロソフトSkype for Businessを
快適に使いこなすコツとは?

UCの導入効果を最大化するためには備えが必要だ。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション20180226
ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます