M2M/IoTカンファレンス 2015 講演レポート社会基盤としての活用が広がるIoT、情報セキュリティ対策に市販パッケージの活用が有効と提示

M2M/IoTカンファレンス2015で登壇した志方氏は、「IoTは社会問題を解決するテクノロジーになるととらえている」としたうえで、社会基盤としてのIoTシステムにはセキュリティ、高可用性/堅牢性、リアルタイムパフォーマンスが求められると指摘。そして、IoTデバイスやクラウドにセキュリティ機能を実装するために市販パッケージを活用することが有効と述べた。

広がるIoTへの期待と課題志方氏は、初めに「IoTは交通渋滞問題の解決、エネルギーの効率活用、医師不足問題など社会問題を解決するテクノロジーになる」という認識を示した。そして、企業のIoT活用の目的として、ビジネスの効率化、オペレーションコストの低減に加え、新しい価値、新しいビジネスを生み出すビジネストランスフォーメーションに対する期待が高まっていると指摘した。

IoTシステム導入の検討にあたり注目すべき点として、システムの高可用性や堅牢性、そして、リアルタイムパフォーマンスが挙げられる。また、こうしたシステムは一度導入されると長期にわたり使い続けられ、その中で新たな機能を実現したいというニーズが必ず出てくるため、拡張性も重要である。さらに、「IoTが社会基盤になればなるほど、セキュリティが大切になる」点を強調した。

ウインドリバー 営業技術本部 本部長 志方公一氏
ウインドリバー 営業技術本部 本部長 志方公一氏

続いて志方氏は、原子力機関のシステムにマルウェアが侵入したケースや高速道路に設置されているデジタルサイネージがハックされ、サイネージの画面にどくろの絵が表示されたケースなど、組込みシステムでの情報セキュリティ事故の事例を提示した。なかでも、2013年末にアメリカの大手小売チェーンで4000万枚のクレジットカードの情報が漏洩するセキュリティ事故が起き、損失は4億5000万ドルに上ったことを取り上げ、情報セキュリティ事故は会社の経営に影響すると情報セキュリティ対策の重要性を説いた。

志方氏は、情報セキュリティ事故を防ぐための考え方として多層的な対策を実施することが大切だと次のように述べた。

「情報セキュリティ対策はいくつもの対策を実施することが望ましい。悪意あるコードと防御技術はいたちごっこという面があり、絶対に侵入されないシステムを構築することは困難。そのため、システムに侵入されたとしても先に進ませない対策を実施しておくことが大切になる」

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