企業のIT部門にとって、BYODには「守り」と「攻め」の2つの側面があろう。「守り」とはいわゆるシャドーIT対策のこと。BYODを会社として認めていない日本企業は多いが、具体的な対策を取らなければ、結局は野放しの状態になる
一方、「攻め」とは、従業員の生産性向上などを狙い、会社としてBYODを積極的に活用していくことだ。
IT部門はこの両面からBYODを検討していく必要があるが、「守り」と「攻め」のどちらにも有効なのが「MCM(モバイルコンテンツ管理)」ソリューションである。
(前編はこちら)→ 『BYODソリューションに異変アリ――「私物端末にMDMは必要ない!」』
(中編はこちら)→ 『BYODを検討中なら知っておくべき「MAM(モバイルアプリ管理)」の基礎知識』
Dropboxシンドロームとは?
海外では最近、「Dropboxシンドローム」という言葉が流行っているという。Dropboxシンドロームとは、従業員が勝手にDropboxなどのクラウドストレージサービスを使い、社外に業務データを持ち出してしまうこと。いまIT部門にとって最大の心配事の1つだろう。放置しておけば、いずれ重大な情報漏洩事故につながりかねない。
米国での調査結果となるが、85%の企業でDropboxのような情報漏洩リスクの高いコンシューマ向けクラウドストレージサービスが使われ、また77%の企業では管理ソリューションが導入されていないという。業務上のコンテンツの適切な管理が、IT部門にとって緊急の課題となっているのである。
MCM(モバイルコンテンツ管理)の必要性が高まっている理由(インフォテリアが6月13日に開いた記者説明会資料より) |
しかも、求められているのは、ただ単にDropboxを禁止することだけではない。それでは従業員の生産性が損なわれるからだ。従業員は社外で仕事をするためにDropboxなどのコンシューマ向けクラウドストレージを利用しているのである。
つまり、IT部門が為すべきは、Dropboxを禁止するだけではなく、同時にセキュリティをきちんと担保できる別のソリューションを導入すること。そして、そのソリューションというのがMCMである。