「通話録音装置」の最新動向――ケータイ、光IP電話対応がトレンドに

通話録音装置は、コールセンター、特に金融系を中心に普及し、近年は一般オフィスでも導入されている。現在のトレンドは携帯電話の通話録音とIP電話対応だ。今後は通話分析システムの導入も進みそうだ。

外線電話や内線通話を録音する通話録音装置は、コールセンターを中心に普及してきた。特に証券会社、銀行、保険会社といった金融業界では、金融商品取引法で、金融商品を販売するうえで顧客の利益を損なわないための説明が義務づけられており、通話のすべてを録音し、説明義務を果たしていることを確認するために利用されている。

また、コールセンターの品質向上にも役立てられており、各オペレーターが顧客からの電話に対応した内容を録音したものを、スーパーバイザーと呼ばれる指導担当がチェックし、教育が必要な場合は、模範になるオペレーターの対応を録音したものを聞かせるなどしている。

近年は、顧客からのクレーム電話などを録音しているところも多い。一般企業においても、通話を録音したものを、後日社内研修に役立てるといったケースも出てきている。

主要なプレーヤーを紹介すると、イスラエルのナイスシステムズと米ベリントシステムズがワールドワイドでトップシェアを競っており、日本でも取り扱う販売代理店が多い。国内メーカーの中ではローエンドからハイエンドまで多彩なラインナップを揃えているタカコムが強く、1980年代から事業を展開しているティアックや、低価格をセールスポイントに最近実績を積み重ねているネイクスなどが続いている。

通話録音装置市場の現状については、「昨秋あたりから、PBX/ビジネスホンの変更にともなうリプレース案件が動き始めている」と複数のメーカーは口を揃える。

ティアック・情報機器事業部情報機器営業部部長の田中靖夫氏によると、「これまでの中心だった金融業界や官公庁以外の、従来コールセンターを設けていなかった業界も顧客満足度向上を目的に導入し始めている」という。

さらに東日本大震災の影響でコールセンターの分散や移設を考えている企業は多いが、今年度の予算で実施する傾向にあり、そのなかには当然、通話録音装置の導入も含まれている。

このように、需要増が見込まれる通話録音装置だが、最近のトレンドはどうなっているのか。主要メーカーの取り組みを中心に見ていこう。

月刊テレコミュニケーション2012年6月号から再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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