シスコの新製品は“タイムマシン”? ―― 過去から現在までデータセンター内のすべてを見える化

シスコシステムズがデータセンターネットワークの全パケット、フロー、帯域利用状況等を可視化する新製品を発表した。Nexus 9000スイッチをセンサーとして用いてデータを収集、分析することで、過去に遡って障害原因を調査したり、アプリケーションの性能劣化を起こすボトルネックを特定することが容易に行えるようになるという。

「タイムマシンだと考えていただければわかりやすい」――。

米Cisco Systemsでプロダクトマーケティング Insieme事業部門 バイスプレジデントを務めるラジーヴ バドワージ氏は、2016年7月末から日本国内で発売する新製品「Cisco Tetratiin Analytics(シスコ テトレーション アナリティクス)」の特徴をそう紹介する。


米Cisco Systems プロダクトマーケティング Insieme事業部門
バイスプレジデントのラジーヴ バドワージ氏(左)と、
シスコシステムズ 執行役員 データセンター/
バーチャライゼーション事業担当の藤本司郎氏

Cisco Tetratiin Analyticsは、サーバー/ネットワークインフラからアプリケーションまでに渡って、データセンター内部の動きを可視化することを目的とした製品だ。データセンター内でやり取りされるすべてのパケット、トラフィックのフロー、アプリケーションの稼働状況等を示すデータを収集し、機械学習技術によって分析する。それにより、過去に遡って障害の原因を特定したり、異常な振る舞いを検知したり、あるいは将来の変動などを予測することが可能になるという。


Cisco Tetratiin Analyticsの概要

どのアプリケーションとアプリケーションがいつ、どんな経路でどのようなやり取りを行っているのか――。データセンターで行われるそうした活動のすべてを記録することで、例えば、半年前にアプリケーションのパフォーマンスが極端に劣化した際の原因を調べて対策を打ちたいという場合にも、当時の状況を詳細に調査して原因を特定し対策を行うことが、従来に比べて容易に行えるようになるという。だから“タイムマシン”なのだ。

サーバー/ネットワークがセンサーになる
バドワージ氏によれば、Cisco Tetratiin Analyticsは3つの要素で構成されるという。トラフィックのデータを収集する「ネットワークセンサー」、サーバー内の情報を収集する「ソフトウェアセンサー」、そして、そこから集められるデータを蓄積・分析するビッグデータプラットフォームだ。

ネットワークセンサーの役割を果たすのは、シスコシステムズのデータセンター向けスイッチ「Nexus 9000」。同製品のユーザーは既存の設備を活用することが可能という。ソフトウェアセンサーは、サーバーにインストールされるエージェントとして提供される。ビッグデータプラットフォームは、ラック搭載型のアプライアンスとして販売する。


Nexus 9000スイッチとエージェントソフトをセンサーとして用いてデータを収集する

ここで問題となるのは、サーバー/ネットワーク内の“すべての活動”のデータを収集するため、その容量が膨大になることだ。他のデータ解析製品やフォレンジック製品などでも同様の問題があるが、バドワージ氏によれば、「ヘッダー情報だけを収集し、重複排除することでデータ量を減らす革新的な技術を用いている」という。

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