企業ネットワーク最前線

日清紡の「災害に負けないICTインフラ」を支える5本柱とは?

文◎太田智晴(編集部) 2014.12.16

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

震災から数カ月、日清紡はICTインフラに関して5つの大きな柱からなるBCP(事業継続計画)を策定した。「災害に負けないICTインフラ」を実現するため、日清紡はネットワークやモバイル、クラウドをどう活用したのだろうか。また、業務システムのクラウド化を本格的に進める同社は、コスト削減にも期待している。

杞憂に終わったクラウドへの不安、オンプレミスよりもクラウドのほうが安いと実感

冒頭で紹介した通り、日清紡グループでは業務システムのクラウド化に本格的に取り組んでいる。その第一歩となったのは、2番目の柱である「重要データとバックアップデータの安全な保管先の選定と確保」だった。

2011年の終わりから、WVSの大容量バックボーンに直結したKDDIの仮想データセンターサービス「Virtualデータセンター」の中で提供されているクラウド型ファイルサーバーへと、重要データなどを移行し始めた。

「このサービスは東日本と西日本にデータセンターがあり、大規模災害時にもディザスタリカバリが実現できます。また、今まで社内で運用していたファイルサーバーより拡張性も優れていることから、Virtualデータセンターへ重要データを移行することにしました」(深川氏)

そして、Virtulデータセンターのファイルサーバーサービスを使って掴んだのは、「“クラウドは使える”という感触」(西村氏)だったという。そこで2012年には、Virtualデータセンターの仮想サーバーサービスを利用し、4番目の柱である「社内にあるサーバー室よりも、もっと安全なプライベートクラウド環境へのサーバー移設」がスタート。

その後、KDDIから新たなクラウド基盤サービス、KDDIクラウドプラットフォームサービスが登場したことから、現在は同サービスを利用している。

業務システムをクラウドへ移行するにあたって、渡辺博信氏が心配したのはパフォーマンスだったそうだ。「社内のサーバー室に置くのと比べ、サーバーのレスポンスはどうか。サーバー自体の性能はクラウドのほうが良かったとはいえ、実際のところはやってみないと分からない部分がありました」。しかし、心配は杞憂に終わる。「レスポンスは以前より向上しています」と渡辺氏は話す。

 

日清紡ホールディングス ●● 渡辺博信氏
日清紡ホールディングス 事業支援センター 財経・情報室 情報システムグループ 担当課長 渡辺博信氏



また、深川氏は、設備を自前で持たずにクラウドを利用するメリットとして、運用負担の軽減も挙げる。「ハードウェアの保守期限の問題を考えなくてよかったり、ハードウェア障害への対応を任せられたり、運用面で副次的な効果が出ています」

「こうした運用コストなども考慮すると、『オンプレミスよりもクラウドのほうが安い』というのが現段階での実感です」と渡辺氏は語る。

ここまで見てきたように、日清紡グループのICTインフラは、KDDIの製品・サービスを中核に構築されている。その理由としては長年の信頼関係などもあるが、KDDIならネットワークからモバイル、クラウドまでをトータルで提供可能な点が、なかでも決め手となっているようだ。

「ネットワークと業務システムが一体化している現在のICT環境において、これらをワンストップで提供してもらえる点を非常に高く評価しています」と深川氏は言う。

災害に強いICTインフラの実現に一定の目途がついた今、深川氏らが次のチャレンジとして見据えるのは、“グローバル”だ。日清紡グループの従業員の半数以上はすでに海外。しかし現在はまだ、海外拠点もカバーしたグローバルなICTインフラは構築されていない。今後ますますグローバル化が進むなか、どのようなICTインフラを目指していくのか。SaaSの積極的な活用など、様々なプランを模索しているという。

スマートデバイス/クラウド活用事例

スペシャルトピックスPR

softbank1710
recomot1710
IBM1710

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】セルラーLPWAでGO!
●LTE-MとNB-IoTの違い/●世界のセルラーLPWA商用展開マップ/●注目セルラーLPWA事例 ほか

◆[インタビュー]NTTドコモ 執行役員 大野友義氏「対話型AIであらゆる生活を革新」 ◆LTEコードレス「sXGP」- 自営PHSから自営LTEへ ◆OTTも参戦!海底ケーブル市場の今 ◆ネットワーク監視ツール ◆働き方改革で拡大する法人スマデバ

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
yamaha_YSL_V810

スペシャルトピックス

パブリッククラウドの普及で、設計・構築・運用法が大きく変わった!

待望の後継機が遂に登場!電話番号の最大登録数は2倍に向上。

ソフトバンクのMDMは、管理者の運用負荷を軽減しながらセキュアな利用を可能にする。

働き方改革はICTツールの導入・活用から取り組むのが有効だ。

大量のアラートをさばくのに忙殺される、旧態依然の運用と決別しよう。

NECのソリューションなら、多様なモバイルワークをセキュアに実現!

「WhatsUp Goldならコスト半減も可能」。イプスイッチの関口氏はこう自信を見せる。

4~6人程度の会議に最適なロジクールのビデオ会議「MeetUp」とは?

ヤマハ独自の音声処理技術が、臨場感あふれる会議を実現する。

注目が集まるCASBのメリットを活かすには、運用負荷を軽減する仕掛けが不可欠だ!

ヤマトの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」で様々な付加価値!

RADIUS内蔵APとの連携で無線/有線LANの両方でデジタル証明書認証

LPWAネットワークを自ら構築するなら、世界で豊富な実績を誇るキャリアグレードのActilityだ。

業界最高レベルのキャリア/サービスプロバイダ向けルータが登場する。

無線プロトコルスタック「SkWAN」搭載のLPWA基地局なら、1台で最大6400台のエンドデバイスを接続できる!

IBM Watsonが最適な活用方法や脅威対策を提供! 先進のPC/スマホ一元管理を実現する「IBM MaaS360」とは?

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション
ms
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます