社内SNSで企業力アップ![最終回]広がる社内SNSの可能性――ナレッジマネジメントやプロジェクト管理などにも活用

社内SNSをコミュニケーション強化に活用する企業が増えているが、最近それ以外の新たな活用方法も始まっている。最終回となる第3回は、社内SNSの今後の展望について見ていく。

今、社内SNSの新たな活用が始まっている。その1つは、社内SNSをナレッジマネジメントとしていっそう進化させようという取り組みだ。具体的には、日記やQ&Aに社員が書き込んだノウハウや知識を検索して活用できるようにすること。SNSは、フロー型のシステムであり、書かれたコンテンツは時間の経過とともに画面の背後に埋もれていく。いったん時間が経つと有用な情報に接することが難しくなる。それではもったいない。そこで、「コンテンツが残る場所を用意し、Wikiを用いて情報を蓄積して組織間で情報が共有できる仕組みをつくりたい」とNTTデータ技術開発本部ビジネスインテリジェンス推進センタシニアエキスパートの北内啓氏は語る。

もう1つの新たな利用は、社内SNSをプロジェクトマネジメント・ツールとして活用することだ。NECは、SNSツールにタスク管理やスケジュール管理などプロジェクトマネジメント・ツールとしての機能を盛り込んでいる。タスクバと名付けられたのがその機能。業務チームのメンバーがそれぞれ分担している仕事の進捗状況を書き込み、仕事の見える化をサポートするのがタスクバの役割だ。チーム単位という枠にとどまらず、部門間や企業間における業務依頼や進捗管理にも有効だ。例えば、他企業との契約を考えている事業部門が法務部門とのやりとりや宣伝部門と広告代理店との進捗管理をする場として活用できる。「これまで部門や会社を超えて作業の進捗を管理するツールはなかったのでタスクバのコンセプトに共感いただいている」とNECの柿澤氏は語る。

ビートコミュニケーションの村井亮社長が、次世代のSNS技術として注目するのはソーシャル・データマイニングだ。コンテンツを分析してユーザーに役立つ情報を提示するのがソーシャル・データマイニング。例えば、自分が書いた日記と共通した内容を書き込んでいる社員に関する情報を教えてくれたり、「この人はあなたの友達としてふさわしいのでは?」と自動的に提示するといった具合だ。情報が多すぎて目を通すことが困難という状況では、ソーシャルフィルタリング技術が情報の選別を行う。社内SNSはインテリジェント化へと向かっているのだ。

また、風土改革という枠を超えて、リモートオフィスにいる社員が会議を行ったり、パンデミック時のコミュニケーションシステムとして活用するなど、社内SNSの使い方もさまざまに広がりそうだ。

図表1 社内SNSをめぐって今起きていること
図表1 社内SNSをめぐって今起きていること

月刊テレコミュニケーション2010年5月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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