SPECIAL TOPIC複雑なホテルNWを柔軟な設計と運用費0のクラウド管理で支える

観光需要が回復し、宿泊施設の新規開業も増えている。その1つである「東京豊洲 万葉倶楽部」のネットワークに選ばれたのが「TP-Link Omada」だ。利用客にも業務向けにも快適なネットワーク環境を提供するためには構成が複雑になりがちだが、豊富な機器ラインナップとクラウド型管理ツールが柔軟かつ高コスパの運用を可能にする。

2024年2月1日、天然温泉を中心とする宿泊施設「東京豊洲 万葉倶楽部」がオープンする。豊洲市場に隣接する好アクセスな立地で、国内外から多くの利用客を集めることが期待される。

建設中の「東京豊洲 万葉倶楽部」の全景

建設中の「東京豊洲 万葉倶楽部」の全景

施設は9階建ての「温浴棟」と、3階建ての「商業棟」からなり、すべてのWi-Fiネットワークをティーピーリンクジャパン(以下TP-Link)のソリューション「TP-Link Omada」で構築している。アクセスポイント(AP)、ルーター、スイッチ等の機器をクラウド上で一元管理できる「Omada SDN Solution」により、利用客向けのWi-Fiはもちろん、従業員の業務用途にも快適なネットワーク環境を提供する。

ネットワークの設計・構築を担当するストラテジックセキュリティ 取締役社長の佐藤良太氏は、「他社製品も選択肢にありましたが、Omadaがやはり便利です」と話す。

同施設では、延べ床面積約3万4000㎡にAPを197台、スイッチを116台設置している。温浴棟には大浴場のほか、71室の客室、レストラン、リラックスルームなどがあり、昼夜問わない利用が予想される。また、商業棟には、多くの店舗テナントがあり、70台もの決済端末やPOSレジが接続する。「火の見櫓」や「お祭り広場」といった屋外部分もあり、機器の堅牢さも求められる。

さらに、豊洲市場に隣接するという特殊な立地条件も考慮された。現地は市場の業務で利用される「電波が乱れ飛んでいる」(佐藤氏)環境。同施設ではIPトランシーバーを用いて業務連絡を行うため、地下の水槽から上層階のボイラー室まで、豊洲市場の電波との混信を避けながら、バックヤードを含め死角なく電波を届かせる必要がある。

室内天井に設置されたアクセスポイント「EAP670」

室内天井に設置されたアクセスポイント「EAP670

ハードウェアコントローラーと多様なスイッチで柔軟設計

このような施設の特性に適応するため、ネットワークは来客用×2、事務用×2、CAT(決済端末)用の5セグメントに分けて管理をしている(図表は参考図)。事務用とCAT用セグメントはハードウェアコントローラー、来客用はソフトウェアコントローラーで管理しており、それぞれ2つずつのトポロジーで構成されている。

図表 Omadaによるネットワーク構成図(参考図)

図表 Omadaによるネットワーク構成図(参考図)

主として利用しているハードウェアコントローラーは「OC300」。最大でAP500台、スイッチ100台、ルーター100台を集中管理できる本機を、同施設では5台導入している。セグメントごとに設置することにより、トラブル発生時の問題の切り分けが容易になり、また将来的な拡張にも対応できるという。

スイッチはポート数やPoEやSFPスロットの有無が異なる機種が、フロアの状況により使い分けられている。48ポートの「TL-SG3452X」から、16ポートの「TL-SG2218」、8ポートの「TL-SG2008」などが豊富なラインナップから選択されている。

利用客向けのフリーWi-Fiは温浴棟、商業棟でSSIDを分け、さらに業務連絡に用いるインカム用のWi-Fiも来客用のセグメントを利用し、別SSIDで運用している。施設中に設置したAPから効率的にVLANごとにSSIDを吹くことができ、快適なWi-Fiを提供する。

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