三井不動産とセンスウェイは2018年6月28日、全国規模のIoT環境構築へ向けて事業提携を締結したと発表した。

両社はこれまでも、センスウェイが提供するLoRaWANのゲートウェイ設備（アンテナ、下写真）を三井不動産グループが管理する高層ビル等の屋上に設置し、IoT プラットフォームサービス活用の取り組みを進めてきている。2018年2月には千葉県柏市および東京大学らと、まちづくりにおける課題をIoTで解決するソリューションを募る「柏の葉IoTハッカソン」を開催した。

日本橋三井タワーのゲートウェイ

今回、その取り組みを拡大し、他のエリアにおいてもIoT通信ネットワークを構築すべく、三井不動産グループが管理する日本橋三井タワーやパークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエストなどにセンスウェイのゲートウェイ設備を設置。さらに2018年9月までに東京・神奈川・千葉・埼玉のビル等15箇所にゲートウェイ設備を設置する予定で、様々なエリアでIoT実証実験を行うための通信ネットワークの構築を進める。

2018年9月からは、東京・日本橋エリアのビルを対象にした電気メーター遠隔検針の実証実験を3カ月にわたり実施する。LoRaWANを用いて検針作業を遠隔から自動で行うことによって、作業の手間を削減するとともに正確性の向上を図る。テナント企業へのサービスとして、1時間単位での電気利用料の可視化も可能になるとしている。

実証実験の概要図

この実証実験では、大崎電気工業が開発するスマートメーターをビルに設置し、センスウェイの通信サービスを通してクラウドにデータを蓄積する。検証場所はClip日本橋ビルなどで、検証結果をもとにサービス化し日本全国のビルへの展開も検討するという。