デジタル変革を加速させる「5G URLLC」の世界(後編)202X年、5Gはこう使う――URLLCサービスの提供イメージ

URLLCによる超高信頼・低遅延通信サービスはどのような形で提供され、企業はそれをどう使うのか。2020年代半ばに始まると予想されるサービスの提供形態と利用の仕方を予想してみる。

超高速・大容量のプランから、低速ですが通信の途切れがなく応答も早いプランまで豊富に取り揃えています。ご要望があれば、通信速度はほどほどで信頼性はとにかく高くなど、カスタマイズも承ります――。

URLLCの威力が存分に発揮できる5GCが実現した202X年には、モバイルネットワークの売り方、選び方はそんなふうに変わっているかもしれない。現在、専用線やIP-VPN等の固定系WANサービスは、性能や品質が異なる多様なメニューの中からユーザーが用途・目的に合ったものを選んで利用している。5Gの時代には、モバイルネットワークもそれと同じような利用形態になる可能性がある。

イメージは専用線・VPNサービス現状のモバイルネットワークは通信速度と通信量(パケット数)が異なる複数のプランが用意されているが、URLLCが商用化されれば、そこに「遅延時間や冗長性、可用性といったSLAが加わってくる」とエリクソンの藤岡氏は予想する。企業の選択肢は今とは比べ物にならないほど増えるはずだ。

そうした多彩なメニューは、ネットワークスライシング技術によって実現される。無線/有線ネットワークと、その途中に置かれるエッジコンピューティング等のリソースをすべて仮想化し、要件に応じて構成を組み合わせることで、ユーザーが求める性能や品質に最適化した仮想的なネットワーク(スライス)を提供する技術だ。「超高信頼・低遅延サービス」も、このスライスの1つとして提供される。

スライスを生成する方法については、“クラウド的”な手法が検討されている。リソースを管理・制御するオーケストレータにサービス要件を入力すると「それに応じたスライスがテーラーメイドでできる世界を目指している」(藤岡氏)。このオーケストレータは「ネットワーク ファンクション エクスポージャ」と名付けられ、5GCの標準化の中で議論が進んでいる。

月刊テレコミュニケーション2018年5月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。