ワイヤレスジャパン 2018/ワイヤレスIoT EXPO 20185Gを凌ぐ!? 東洋電機が「10ギガ」無線伝送技術を披露

電波ではなく「光」を使って最大10Gbpsの超高速無線伝送を実現する――。ワイヤレスジャパン2018で、そんな次世代技術を披露したのが東洋電機だ。光ファイバーの敷設が困難な場所やイベント中継、災害時の緊急通信のほか、電波干渉が起きやすいオフィス密集地などでの利用を想定する。将来的には2kmの長距離通信も可能にするという。

産業用電気制御メーカーの東洋電機が構えるブースの目玉は、光通信によってワイヤレス接続を行う「空間光伝送装置」だ。

現在製品化されているのは、近赤外線LEDを使用して100Mbps通信が可能なイーサネット対応空間伝送装置だ。通信距離は最大100mで、建物間をケーブルレスでつないでネットワーク化することができる。電波と違って電磁ノイズに強いため、工場や医療機関で使用しても機器に影響を与えないこともメリットだ。

そして同社のブースでは、現在開発中の新技術も披露されている。伝送速度を1Gbps以上に高めた“超高速版”だ。「現在10Gbpsを目指して開発を行っており、将来的には100Gbpsも可能」と説明員は話す。実現すれば、5Gを凌駕する無線伝送が可能になる。通信距離についても「2km」を目標に開発を進めているという。


1Gbps以上の超高速通信が可能な光伝送装置のデモ

想定しているユースケースは、光ファイバーが敷設できない場面での高速伝送だ。河川をまたぐ通信やビル間通信、イベント中継や災害時の緊急通信、また、過疎地や離島などでの利用も考えられる。電波の影響を受けないため、電波干渉が起きやすいオフィス密集地での利用にも適する。


ブースでのデモの構成

この光伝送装置は、対になる2つの装置で「光軸」を合わせて通信を行う。通信距離が伸びれば伸びるほど、この光軸合わせが難しくなり、高度なスキルが必要となる。これが導入・利用するに当たっての障害にもなるが、東洋電機では現在、大学等と共同で光軸合わせを自動的に行う技術も開発中だ。

説明員によれば「カメラのオートフォーカスの技術を応用して、自動的に光軸を調整できるようになる」という。見通しが確保できる場所に、対になるかたちで装置を設置すれば、あとは自動的に光軸を調整して無線データ伝送が行えるようになるというわけだ。将来的には、船や列車などの移動体との間でも自動的に光軸を合わせて超高速通信が行えるようにしたいと説明員は話している。

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