キーパーソンが語る

NTT篠原副社長「B2B2Xで広がる可能性。“ミドルB”に価値ある技術を」

聞き手◎太田智晴(編集部) 2018.05.31

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

NTT 副会長 代表取締役副社長
研究企画部門長 篠原弘道氏

様々な業界のサービス提供者、いわゆる「ミドルB」の“触媒”として、新しい価値の創出を目指す「B2B2Xモデル」への転換に取り組むNTTグループ─。その重要なカギを握るのが、約2500人の研究員を擁する研究所の技術だ。B2B2Xモデル推進のため、NTTのR&D戦略はどう変化し、どんな成果が出ているのか。研究企画部門のトップを務める篠原弘道副社長に聞いた。

 
――IoTやAIなどのテクノロジーが世の中を大きく変革しようとしていますが、社会は今後どうなっていくとお考えですか。

篠原 技術の進展が速いので予測は困難ですが、「こんな社会になって欲しい」という思いは持っています。人間として豊かな生活が送れる社会を作っていくこと――。それが我々の最終目標です。

そのためには1つ前の段階として、少子高齢化などの様々な社会的課題を解決しなければなりません。また、日本の国力をしっかり維持していくための産業競争力強化も重要ですが、IoTやAIはかなり貢献できると思っています。

農業を例にとると、IoTでデータを収集することで、ノウハウの形式知化が可能になります。もっと高く売れる農作物を、もっと効率的に作れるようになっていくでしょう。

世の中に存在する様々なバリアをなくしたいとも考えています。例えば、ハンディキャップをお持ちの方や高齢者の方が、いろいろな活動に参加できるようになる。あるいは、これはAIが中心になると思いますが、訪日外国人や外国人労働者の方の言語や習慣に関するバリアを低くする。

世の中では「AIと人間、どっちが優れているか」といった話題への関心が高いようですが、我々はあまり興味がありません。人間の生活をもっと豊かにしていくのが、AIをはじめとするICTだと捉えているからです。

しかも、技術に詳しい人だけが恩恵にあずかるのではない。NTTは「アンコンシャス」をキーワードの1つにしていますが、誰もがあまり意識することなく、上手に使えるようにしていく必要があります。

篠原弘道(しのはら・ひろみち)氏


昔なら「NTTの本業ではない」――そうしたビジョンの下、様々な研究開発を行っていますが、その成果を用いたサービスを提供するのは、NTTグループだけではありませんね。NTTは、「ミドルB」と呼ぶサービス提供者の“触媒”として、新しい価値の創造をサポートするB2B2Xモデルへの転換を図っています。

篠原 昔は“電話”の会社でしたから、人と人とをつなげることを目標としていました。その目標の達成に向けて、例えばテレビ電話で使われる映像符号化の研究開発で「高品質と低ビットレート」を目指した研究があったとしましょう。昔は全く新しい技術がどこかで開発されたとしても、「NTTの本業ではない」と棚に乗せてしまったり、途中でやめてしまうことが多くありました。

ところがB2B2Xとなると、できた技術はNTTのみならず、通信業界とは関係ない「ミドルB」の方々にご提供することになります。今まで自ら設定していた目標が、「ミドルB」の方々にとって価値ある技術に「目標が変更」されるわけです。それに加え、研究開発の適用先はずいぶんと広がりました。最近はスポーツ脳科学などにも取り組んでいますが、我々の可能性を広げるため、さらに適用先を広げていきたいと思っています。

――B2B2Xで、R&D戦略も大きく変わったわけですね。

篠原 「コ・イノベーション」と言っていますが、いろいろな産業界の方々と一緒に研究開発に取り組み、新しい価値を作っていこうとマインドが変化したことは大きなポイントです。結局、各業界のことをよく知っているのは、それぞれの業界の方々。我々だけで研究開発をして産業界の新しい価値を作ることは無理なのです。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

著者プロフィール

篠原弘道(しのはら・ひろみち)氏

1954年3月生まれ、福岡県出身。78年3月に早稲田大学大学院 理工学研究科 電気工学専攻 修士課程を修了、同年4月に日本電信電話公社に入社。2003年6月にNTT情報流通基盤総合研究所 アクセスサービスシステム研究所長、07年6月に情報流通基盤総合研究所長。09年6月、取締役 研究企画部門長に就任し、12年6月に常務取締役 研究企画部門長、14年6月に代表取締役副社長 研究企画部門長。18年6月に取締役会長に就任予定

スペシャルトピックスPR

casb1804
kccs1805
watchguard1805

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】IoT FUTURE CITY
 [IoTは暮らしをどう変えるか]“おらが街”もデジタル化
 [柏の葉スマートシティ]IoT事業創造の一大拠点に
 [Fujisawa サスティナブル・スマートタウン]持続的に成長する街を
 [Fukuoka City LoRaWAN]IoTで変化を生み出す街


◆[インタビュー] NEC 河村厚男常務「キャリア事業を構造改革」 ◆「日中間通信」の課題と攻略法 ◆ソフトバンクが日本初のNB-IoT ◆モバイル市場の公正競争の今後 ◆急成長するシスコの“サービス”事業

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

CASO新技術のホワイトボックス
M2Mルーターは「切れない接続」

Foxconnグループでホワイトボックスを展開するCASO。

東京エレクトロンデバイスグローバル企業のSaaS活用を後押し
マルチクラウド化の準備はCASBで

マルチクラウドを一元的に管理したい。そんな望みを叶えられる。

拠点・モバイルをつなぐだけ!
クラウドの安全はシンプルに守る

クラウド利用の拡大とともに複雑化するセキュリティ課題を解決!

NetskopeCASBでクラウドはどこまで操れるか
既存のセキュリティとどう違う?
 

Netskopeを例にCASBの機能と使い方、メリットを整理した。

ソフトバンクソフトバンクがSMB向けの
ソリューションパートナー募集!

働き方改革を中心に新たなソリューション開発を支援する。

日本マイクロソフトSkype for Businessを
快適に使いこなすコツとは?

UCの導入効果を最大化するためには備えが必要だ。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション20180226
wsd_iot_ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます