企業ネットワーク最前線

[特集]働き方改革×デジタルの新・教科書(2)

IoT家具で生産性向上!――座り過ぎの健康リスク・パフォーマンス低下にサヨナラ

文◎村上麻里子(編集部) 2018.05.11

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デスクワークでは座位時間が長くなりがちだ。しかし、座り過ぎは健康リスクが高まるだけでなく、パフォーマンスにも影響を及ぼす。「立ち姿勢」を取り入れた働き方を可能にするIoTデスクが注目を集めている。

 
1日あたり何時間くらい座っているか、時間を測ったことはあるだろうか。

海外の調査によると、平日の座位時間は世界20カ国平均で300分、日本はそれを120分も上回る420分で、サウジアラビアと並び最も座っている時間の長い国となっている。しかも420分とはあくまでも平均値であり、600分以上という人も多い。日本では「座りっぱなし」の働き方が常態化していることがわかる。

しかし、座り過ぎは身体に悪い。体重増加や肥満、血行不良、さらには糖尿病やガン、冠動脈疾患といった疾病リスクが高まるという研究結果が世界各地で報告されている。オーストラリアで45歳以上の約22万人を対象にした3年間にわたる追跡調査では、1日の座位時間が4時間未満の人に比べて8時間以上の人は1.15倍、11時間以上の人は1.4倍も死亡リスクが高まることが明らかになった。

座り過ぎが健康を損ねることは海外ではもはや「通説」となっており、北欧諸国では国を挙げて「立ち姿勢」を取り入れた働き方を推進している。

最適な高さで身体への負担を軽減日本のオフィス家具メーカーはこれまで長時間労働を前提に、座り続けてもなるべく身体に負担がかからない製品作りに主眼を置いてきた。しかし、海外で長時間の座り過ぎによる弊害が叫ばれているのを受けて、定期的に立ち姿勢を取り入れる働き方に対応した製品を展開している。

例えば、オカムラの「Swift(スイフト)」は、コントロールパネルを使って650~1250mmの間で天板の高さを自由に変えることが可能。立ち姿勢、座り姿勢いずれの場合も最適な高さに調節することで、身体への負担を軽減できる。安全性にも配慮しており、上下昇降中に障害物にぶつかり異常電圧を感知すると自動的に動作を停止し、その直後から逆方向に数cm昇降して挟み込みや衝突状態を回避する。昇降時の音も静かなので、周囲に迷惑もかからない。

オカムラの上下昇降デスク「Swift」は、立ち姿勢、座り姿勢いずれの場合も最適な高さに調節することで身体への負担を軽減する
オカムラの上下昇降デスク「Swift」は、立ち姿勢、座り姿勢いずれの場合も
最適な高さに調節することで身体への負担を軽減する



仕事中の姿勢が身体に与える影響について、オカムラと労働科学研究所が行った実証実験では、座ったり立ったりを繰り返す「座り時々立ち」は、「座りっぱなし」や「立ちっぱなし」と比べて、眠気やむくみ、疲労を抑制することがわかったという。

「ときどき立ち姿勢を取り入れることで、仕事のパフォーマンスが向上する。立ち姿勢だと周囲の人に話しかけやすくなり、上司や同僚とのコミュニケーションも活性化される」とオカムラ マーケティング本部 フューチャーワークスタイル戦略部 クライアントコミュニケーションセンター所長の武田浩二氏は指摘する。

オカムラ マーケティング本部 フューチャーワークスタイル戦略部 クライアントコミュニケーションセンター所長 武田浩二氏
オカムラ マーケティング本部 フューチャーワークスタイル戦略部
クライアントコミュニケーションセンター所長 武田浩二氏



従業員が健康であることは医療費の削減のみならず、生産性の向上や企業のイメージアップにつながるという「健康経営」の理念は日本企業の間にも浸透しつつあり、ここ数年、導入にも弾みがついている。楽天が東京・二子玉川への本社オフィス移転を機に全社導入。このほか、鉄鋼総合商社のメタルワン、ドコモヘルスケア、大妻女子大学、流山市役所など、幅広い業種で採用されている。

タイプにもよるが、Swiftは通常のデスクと比べて価格が約1.7~2倍ほど高い。しかし、「立ち姿勢を取り入れることで業務が効率化され、結果として残業代が削減されれば、決して高い買い物ではない」と武田氏は話す。実際、地方のある住宅メーカーは、残業代対策としてSwiftの購入を決めたという。
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