2018年の「SD-WAN」はこの使い方が流行る!

SD-WANの導入を検討する企業のニーズが変わり始めた。ハイブリッドWANによる回線コスト削減から、最近では「WANの柔軟性向上」、そして「SaaSアクセスの最適化」へと主眼が移ってきている。

「WANといえば、今までは拠点間の固定的な通信だけだった。だが、(企業ICTが)クラウド化すると拠点間通信は固定的でなくなる。対応するには、ネットワークを抽象化せざるを得ない。これがSD-WANへの熱が高まっている要因だ」

そう語るのは、NECネッツエスアイのキャリア・パブリックソリューション事業本部パブリックソリューション事業部でICT/SI事業統括マネージャー(兼プラットフォームソリューション部長)を務める滝岡宏規氏だ。

同社は米Silver Peak Systems(以下「Silver Peak」)をはじめ複数のSD-WANソリューションを取り扱っており、2017年後半からSD-WANへの引き合いが急増しているという。「来年度の予算化を見据えてPoC(概念実証)をやりたいという引き合いがバンバン来ている」状態だ。プラットフォームソリューション部主任の井内新介氏も、「来年度からSD-WANが商用で使われるフェーズになってくる」と期待を込める。

図表1 SD-WANの機能と効果
図表1 SD-WANの機能と効果

変容するSD-WANへの期待注目すべきは、ユーザー企業のSD-WANに対する期待の中身が変容していることだ。国内外に展開する拠点からクラウド/SaaSへのアクセスをSD-WANで最適化したいというニーズが盛り上がっている。

日本企業では近年、マイクロソフトのOffice 365やグーグルのG SuiteをはじめとするSaaS、アマゾンのAWSやMicrosoft Azure等のIaaSの利用が急速に広がっているが、このクラウド化の進展によって、企業ネットワークにおける新たなニーズが顕在化した。「クラウドと拠点間の通信品質を安定させたい」「アプリケーション/SaaSを利用する際の通信経路や帯域を柔軟に変更できるようにしたい」「SaaS向け通信のセキュリティを担保したい」「拠点の新規開設や統廃合に応じて素早くWANを展開・変更したい」といったものだ。

ユーザー企業はSD-WANに対して、こうした課題を解決してくれることを期待し始めているのだ。

月刊テレコミュニケーション2018年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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