次世代サービスプロバイダーサミット 2017 講演レポートジュニパー上田氏「ネットワークのリアルタイム可視化で“運用の自動化”も可能になる」

ジュニパーネットワークスのクラウド/IoT基盤ビジネスが加速してきた。SDNソリューションのContrailは「欧州の通信事業者の間ではデフォルト(第一選択肢)」となっており、ネットワーク可視化ツールのAppFormixにも日本の通信事業者から強い関心が寄せられているという。上田昌宏氏はこれらを活用することで、「将来的にネットワーク運用の自動化も実現できる」と述べた。

「ジュニパーをキャリア向けルーターの会社と認識されている方は多いと思うが、当社は近年、SDN/NFV、クラウドのセキュリティなどのソフトウェアビジネスに非常に力を入れており、日本でもこの分野の売上が加速度的に伸びている」

ジュニパーネットワークスの上田昌広氏は講演の冒頭でこう述べたうえで、同社のクラウド/IoT基盤向けソリューションへの取り組みを説明した。

ジュニパーネットワークス 技術統括本部 テクニカルビジネス推進部 部長 上田昌広氏
ジュニパーネットワークス 技術統括本部 テクニカルビジネス推進部 部長 上田昌広氏

ジュニパーは、2012年にSDNソリューション「Contrail」を手がけるContrail Systems社を買収。これを機にソフトウェアビジネスの強化を進め、「開発だけでなく、営業・マーケティングを含めて体制の転換を図ってきた」。

さらに2016年にはAppFormix社の買収により、ネットワーク可視化ツール「AppFormix」をラインナップに加え、日本法人にソフトウェアの専任チームを発足させている。

「エンドユーザーがお金を払う対象が回線自体であった2000年代は、良いルーターを作れば、良いサービスが提供できた。しかし、現在ではサービスはもっぱらクラウド上で提供されるようになり、良いサービスを提供するにはクラウド基盤の最適化、可視化が重要になってきている。今やContrailやAppFormixなどでお客様のクラウド/IoT基盤の構築のお手伝いをすることが、我々の大きな目的となってきている」と上田氏は語る。この変革をジュニパーでは「クラウドシフト」と呼んでいる。

プライベート/パブリッククラウド、5G向けの仮想化基盤、分散型のテレコクラウド、SaaS基盤などに対するSDN、可視化、セキュリティなどのソリューションが、ジュニパーの新たな事業の柱となっているのだ。これは2025年に1400兆円もの経済効果を生み出すと予想されるIoT市場に対するジュニパーのアプローチでもある。

クラウド/IoT化の進展により通信事業者の役割が変化するのに伴い、ジュニパーの役割も変化している
クラウド/IoT化の進展によって通信事業者の役割が変化するのに伴い、ジュニパーの役割も変化している

とはいえ、この分野には他のテレコム・ITベンダーも力を注いでいる。ジュニパーのクラウド/IoT基盤ソリューションの特徴はどこにあるのか。

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