「xTechの時代へ」、野村総研が2023年度までのICT市場予測

これから2023年までにICT・メディア市場では何が起こるのか――。野村総合研究所(NRI)は2017年11月29日、書籍『ITナビゲーター2018』(東洋経済新報社)の発刊にあわせて記者説明会を開催し、xTechや音声エージェント端末など注目市場の今後の動向について解説した。

「まさに今、ソフトウェアが社会や業界構造を変革していく転換点にいる。ソフトウェアがすべてを飲み込む仕上げのフェーズに入った」

NRIでICT・メディア産業コンサルティング部部長を務める石綿昌平氏は記者説明会の冒頭、このように語った。

現在は、ソフトウェアにより、あらゆるものが構造変化させられる動きの仕上げ段階にあるという
現在は、ソフトウェアにより、あらゆるものが構造変化させられる動きの仕上げ段階にあるという

通信ネットワークの世界でもNFVの導入など、ハードウェアからソフトウェアの時代への移行が加速しているが、石綿氏が言うソフトウェア化は、こうした次元にとどまる話ではない。例えば金融や人事業務など、業界や業務そのものがソフトウェア化し、構造変化していくという話である。

そして、こうした構造変化を象徴するキーワードがxTechである。

NRIでは今回、FinTechやHR Tech、AgTechなど、9つのxTechについて2023年までの市場予測を行っている。例えば、IoTなどを活用して農業を革新するAgTechは、年平均成長率26.3%と、xTech市場の中でも特に成長率が高く、2023年に約400億円市場に達する見込みだという。

AgTech(農業)市場の予測
AgTech(農業)市場に関する予測



なお、ハードウェアの時代の特徴の1つは、供給重視。「一度売ってしまうと、それを修理したりするのは非常にコストがかかるため、あとで調整することを前提に売るのではなく、壊れたら取り替える」

これに対して、「ソフトウェアは永遠のβ版。いつまでもアップデートし、どう使われているかもネットワークを使って簡単に分かる。いかに供給時に作り込むかではなく、いかに調整しながら価値を出すかに変わっていく」と石綿氏は説明した。

IoTなどで収集・蓄積したデータを機械学習などで分析。それで得られた知見などをもとに調整しながら、継続的に価値創造していくことが求められる。

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