企業ネットワーク最前線

OTTも参戦!海底ケーブル市場の今――ITバブル期以来の新設ラッシュ

文◎坪田弘樹(編集部) 2017.11.21

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

世界各地で光海底ケーブルの敷設ラッシュが続いている。回線需要が急増するなか、通信事業者およびOTT(Over the Top)が積極的に投資しているためだ。活況を呈する海底ケーブル建設の今をレポートする。

 
インターネットやクラウドの利用を支えている国際通信。その99%を担っているのが、世界中に張り巡らされた光海底ケーブルだ(残り1%は衛星通信)。旺盛な回線需要を背景にここ数年、大規模な敷設プロジェクトが次々と進められている。
海底ケーブル
海底ケーブルは船の錨や底引き網、潮の影響などで損傷するのを防ぐため、鉄線でガードした上で海底に敷設される。浅い海域ほど傷つきやすいので、右端のように二重にガードしたケーブルを使う。逆に、深海は損傷の可能性が低いため、左端のように“ノーガード”のまま敷設する


特に活発なのがアジア太平洋地域だ。2014年に、太平洋を横断する2つの大規模プロジェクト「FASTER」「SEA-US」がスタートした(図表1)。

 

図表1 FASTER、SEA-US、HK-Gのルート
図表1 FASTER、SEA-US、HK-Gのルート


FASTERはKDDI、チャイナテレコム、グーグル等6社が建設したもので、米国西海岸から日本の千倉(千葉県)・志摩(三重県)まで9000kmを結び、60Tbpsの通信容量を持つ。2016年6月に運用を開始した後、現在は台湾まで延伸されている。一方のSEAUSは、東南アジア・米国の通信事業者7社が建設。フィリピン・インドネシアからグアム、ハワイ経由で米国まで総延長は約1万5000kmに及ぶ。最大容量は20Tbpsだ。

欧州向け・アジア域内も続々欧州へのルートも新設されている。シンガポールからインド洋、中近東を経てフランスまで伸びる約2万km・24Tbpsの「SEA-ME-WE-5」、香港からほぼ同じ経路でフランスまで結ぶ「AAE-1」だ。

こうした欧米向けルートだけでなく、東・東南アジア域内を結ぶケーブルの新設も相次いでいる。

昨年10月には、NTTコミュニケーションズが韓中、タイなど9カ国の通信事業者と共同で建設した「Asia Pacific Gateway(APG)」が運用を開始した。容量は54.8Tbpsで総延長は約1万400kmと、アジア最大級の光海底ケーブルだ。

インドネシアでは、同国内の9都市とシンガポールをつなぎ、さらに前述のSEA-USやSEA-ME-WE-5と接続して欧米間との通信を増強する「IGG(Indonesia Global Gateway)」が2018年前半に稼働を始める予定だ。

また、今年1月には、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)が出資し、香港とグアムを結ぶ「HK-G」の建設も発表された。建設時の設計容量は48Tbps。グアムでSEA-USと連携する予定で、中国の回線需要の高まりに応える。
香港とグアムを結ぶ「HK-G」のルート
香港とグアムを結ぶ「HK-G」のルート。白線は将来的に延伸可能なルートで、延伸を想定してBU1~3に分岐装置を設置する

 


以上の例にも登場するように、地理的および経済的な要因から、アジア太平洋地域における光海底ケーブル建設には日本の通信事業者が大きな役割を果たしてきた。さらに最近は、莫大なトラフィック需要と資金力を持つ中国の通信事業者、ASEAN諸国の事業者、そしてOTTの存在感が増してきている。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

paloalto1712
necmag1712
atmark1712

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】つながるクルマが「移動」を変える
     モビリティIoT革命


◆[インタビュー]シスコ鈴木専務「IoTの幻滅期をいち早く経験したシスコは他社の1年先を行く」 ◆920MHz帯“大混雑時代”の対応策に ◆LPWAで地域活性化に挑む藤枝市 ◆handyがホテルの客室電話を変える ◆ネットワークセキュリティの新常識 ◆IoTルーター/ゲートウェイの最新トレンド

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
日本IBM

スペシャルトピックス

サクサ中小企業も容易にセキュリティ対策

サクサのUTM「SS5000」は、コンパクトながら充実機能。外部だけでなく内部の脅威にも対応できる。

Office 365ADCでOffice 365通信の課題解決!

Office 365通信の課題であるプロキシ/FWの負荷増大と運用の複雑化を一気に解決するのがADCだ。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンネットワークとPCを同時に守る!

ウォッチガードはNW防御にエンドポイントでのセンサー技術を組み合わせ、包括的で効果的な対策を実現!

サイバーリーズンAIで攻撃の兆候をリアルタイム検知
既知だけでなく未知の脅威も防御

AIを活用した独自分析技術で、悪意ある振る舞いを検知するEDR製品。

パロアルトネットワークスGTP-C/GTP-Uのセキュリティ強化
次世代FWをモバイル網に適用

携帯電話事業者のネットワークは次世代ファイアウォールが守る。

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

「マルチキャリアで冗長化したい」「シリアルI/Fなど既存環境に手を加えたくない」といった声に応える。

アットマークテクノ柔軟な拡張性・出荷実績30万台の
安心感の日本製IoTゲートウェイ

ASEAN中心に認証を取得で、IoTシステムの海外展開にも便利だ。

Office 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため
NWを見直すべき10のポイント

実際の失敗例をもとに、ネットワークの見直しのポイントを整理する。

無線LAN APだけで電子証明書も運用可能に 運用管理を容易化する工夫も満載!無線LAN APだけで 電子証明書も!

ヤマハのAPは内蔵コントローラ で複数のAPを統合管理できる。セキュリティ機能も充実だ。

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御 ワイヤレスIPSをお求めやすい価格で!「見えない脅威」にさらされている
無線LANをどう守る?

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御するワイヤレスIPSを手頃な価格で!

オンプレミス型のPBX/ビジネスフォンは“時代遅れ”では決してない。

機械学習/AIを使った自律運用型ネットワークをArubaは提案する。

ウォッチガードなら「導入運用の容易性」と「強固なセキュリティ」を兼ね備えたWi-Fi環境が手に入る。

パブリッククラウドの普及で、設計・構築・運用法が大きく変わった!

待望の後継機が遂に登場!電話番号の最大登録数は2倍に向上。

ソフトバンクのMDMは、管理者の運用負荷を軽減しながらセキュアな利用を可能にする。

働き方改革はICTツールの導入・活用から取り組むのが有効だ。

大量のアラートをさばくのに忙殺される、旧態依然の運用と決別しよう。

NECのソリューションなら、多様なモバイルワークをセキュアに実現!

「WhatsUp Goldならコスト半減も可能」。イプスイッチの関口氏はこう自信を見せる。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション201712
wj2018a
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2017 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます