NTTドコモが考える「次世代モビリティ」とは――Future Mobility Summitで吉澤社長が講演

東京モーターショーの併催カンファレンスとして、業界関係者がモビリティの将来や課題について議論する「Future Mobility Summit Tokyo:2017」が今回初めて開催された。

10月27日のDay2にはNTTドコモの吉澤和弘社長が登壇し、「次世代モビリティへの挑戦~5Gでより豊かな未来を~」をテーマに基調講演を行った。

NTTドコモの吉澤和弘社長

ドコモは今年4月に、2020年以降を見据えた中期戦略として「beyond宣言」を策定した。6つの宣言の1つに「スタイル革新宣言」があるが、これは5Gならではの特徴を活かし、VRやAI、IoTを活用して「体感革新」などの実現を目指すというもの。具体的な取り組みとして、次世代モビリティなどを掲げている。

ドコモの次世代モビリティの軸となるのが、①コネクテッドカー、②次世代交通、③シェアリングモビリティだ。

①のコネクテッドカーは、車の購入から利用、売却までのカーライフサイクル全般を幅広くサポートすることを目指している。ゼンリン、ゼンリンデータコムと共同開発した「AIインフォテイメントサービス」は、「高度情報検索」「行動先読み」「自然対話」といったドコモの技術の活用により、ドライバーの趣味や嗜好に合わせた情報配信なども行える。吉澤社長は「究極のAIエージェントを車の中でも提供することを目指していきたい」と語った。

②の次世代交通は、地方における公共交通空白地域、都市部の渋滞、観光需要の増加に対応した交通網の整備など、人やモノの移動に関する社会的課題の解決を目的とする。

具体的な取り組みとして、AIタクシー、AI運行バス、自動運転バスの実証実験を行っている。

このうちAIタクシーは、エリアや属性ごとの集団の人数を示す人口統計やタクシーの運行データ、気象データを組み合わせ、AIで解析。500m四方ごとの30分後タクシー需要を予測する。

これまで東京無線協同組合やつばめタクシーグループ(名古屋市)と連携し、実証実験を行ってきた。その結果、ドライバーの1日あたりの売上アップにつながるといった成果が明らかになっている。一方、利用者にとっても待ち時間の短縮などのメリットが期待できるという。

③のシェアリングモビリティでは、自転車や駐車場に続き、11月から「dカーシェア」を提供開始する。
dカーシェアは、カーシェアとレンタカー、マイカーシェアが1つのプラットフォームで利用できる。自転車や駐車場はBtoBtoCのビジネスモデルだが、マイカーシェアは車を所有するオーナーと車の使用を希望するドライバーという個人間のシェアリングになる。

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