ICT×未来

ビジネスの明日を動かすICTトレンド

AI、ロボット、ドローンが変える! 物流・ロジスティクスの将来像(前編)

文◎西俊明(ライトサポートアンドコミュニケーション) 2017.11.01

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

少子高齢化の時代を迎え、人手不足をはじめとする課題が山積する物流・ロジスティクスの世界――。今回は、最新のIT技術を活用した物流・ロジスティックスの将来像について解説します。

 
我々が普段、大変便利に利用しているネット通販――。経済産業省によると、2016年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、15.1兆円となっています。2010年の市場規模は7.8兆円ですので、この6年間で1.94倍も増加しました。

 

図表1 BtoC-EC の市場規模および EC 化率の経年推移(出所:経済産業省 資料)
BtoC-EC の市場規模および EC 化率の経年推移
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001-1.pdf


また、国土交通省によると、国内の宅配便の取扱個数は2016年度で40.2億個であり、その99%がトラックによる輸送とのこと。2010年度は32.2億個で、こちらは約25%増えています。

 

図表2 宅配便取扱個数の推移(出所:国土交通省資料をもとに編集部作成)
図表2 宅配便取扱個数の推移




個別企業に目を移してみましょう。

ネット通販の雄といえば、誰もが認めるアマゾンですが、こちらの2016年の売上高(日本事業)は、1兆1660億円。2010年は4372億円ですので、2倍以上の成長となっています(いずれも当時の為替レートで換算)。

現在、このアマゾン(日本法人)の周りで、物流に関して、様々な問題が起きています。

たとえば、以前、アマゾンの主たる配送業者は佐川急便でしたが、アマゾンの要求する配送条件と折り合わず、佐川は2013年にアマゾンから撤退しています。その結果、佐川は一時的に取扱量を減らしたものの、利益は拡大しました。

その佐川に代わって、アマゾンの主たる配送業者となったのがヤマト運輸でしたが、こちらは取扱量は拡大するものの、利益を減らす結果となっています。低い単価、厳しい配送条件に加え、ドライバー不足も原因です。

世の中全体で求人倍率が高まっている現在、「長時間労働で低賃金」というイメージのあるドライバーに人が集まりにくいのは当然かも知れません。

運送業界全体でドライバーの取り合いとなった結果、ドライバーの人件費にも上昇圧力が働いています。しかし、それでもまだ、トラックドライバー(道路貨物運送業)の賃金は、全産業平均以下の水準です(厚生労働省のデータによる)。すぐにドライバー不足が解決する見込みはありません。

そのような中、ヤマト運輸では今年の春季労使交渉の場で、労働組合から会社側に対し、総量規制を求める申し出がなされました。「宅配便を扱う個数を制限せよ」ということです。

これを受けて、ヤマト運輸では、アマゾンを始めとする大口顧客の運賃の見直し、およびドライバーの労働条件改善に向けた諸施策の取り組みを行っています。

この9月には、「アマゾンに対する運賃を40%増とすることで交渉がまとまる」との報道もなされました。この例からも、我が国の物流・ロジスティクスの抱えている問題の一端が垣間見えるのではないでしょうか。

さらに、我が国では、これからの「少子高齢化」「生産年齢人口減少」の時代を迎え、

・さらなるドライバー不足
・ドライバーだけでなく、物流倉庫作業員の不足
・買物難民となる高齢者の増加


など、物流やロジスティクスに関わる問題が山積しています。

しかし、このような問題も、AIやロボットを始めとする最新IT技術によって解決できるはずです。

本記事では、物流・ロジスティックスの課題を解決するIT活用の将来像について、「輸送・配送の将来像」と「物流センターの将来像」に大きく分け、2回にわたり解説します。まず今回の前編では「輸送・配送の将来像」を確認します。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

著者プロフィール

西俊明(にし・としあき)

慶應義塾大学文学部卒業。合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション代表社員/CEO。富士通株式会社で17年間にわたり、営業、マーケティング業務に従事。2008年、経済産業大臣登録・中小企業診断士として独立し、2010年、合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション設立。専門分野は営業・マーケティング・IT。Webマーケティングやソーシャルメディア活用のテーマを中心に、8年間で200社以上の企業や個人事業主のマーケティングのコンサルを実施、180回以上のセミナー登壇実績をもつ。著書に『あたらしいWebマーケティングの教科書』『ITパスポート最速合格術』『高度試験共通試験によくでる午前問題集』(技術評論社)、『絶対合格 応用情報技術者』(マイナビ)、『やさしい基本情報技術者問題集』『やさしい応用情報技術者問題集』(ソフトバンククリエイティブ)、『問題解決に役立つ生産管理』『問題解決に役だつ品質管理』(誠文堂新光社)などがある。

スペシャルトピックスPR

silverpeak
nissho1801
yamaha1711

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】ネットワーク未来予想図
     ~これから2020年までに起こること~


◆[インタビュー]原田博司 京大教授「Wi-SUN FANが海外で人気! LPWA市場で世界第3位へ」 ◆ブロックチェーンにIoT担当者が注目すべき理由 ◆SD-WANの2018年 ◆Skype for Businessが働き方を変える ◆“業界3位” エクストリームネットワークスの野望

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

日本マイクロソフトWindows 10/Office 365の更新
これだけ知っていれば怖くない!

ネットワーク帯域を圧迫するアップデートをうまく乗り切るには?

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズチェック・ポイントのSMB戦略
あらゆる環境で攻撃を未然に防ぐ

日本向けにローカライズし、パートナーもユーザーも扱いやすく。

ロジクールSkype for Business用
会議室コンソール「SmartDock」

働き方改革に有効なSfB会議が簡単かつ安全に始められる!

協和エクシオSfB導入の課題解決をサポート

協和エクシオは通建事業60年のノウハウを活かし、Skype for Business導入トータルサービスを提供する。

ソフトバンクSkype for Businessの利用促進
コスト大幅削減を実現するには?

ソフトバンクのGlobalMeet電話会議サービスで実現可能だ。

ブロードメディア・テクノロジーズグローバル企業の悩みを一掃!
“本当に使える”SD-WAN基盤

WANの課題を一掃するAryakaの
SD-WANが心強い味方になる。

NECネッツエスアイSilver PeakのSD-WANは
独自技術でSaaS通信をフル制御

「SaaSを快適かつ安定的に使いたい」という企業ニーズに応える。

日商エレクトロニクスクラウドが快適に使えるSD-WAN

日商エレクトロニクスが販売する「Cisco SD-WAN」(旧Viptela)は、常に進化し続けるSD-WANだ。

サクサ中小企業も容易にセキュリティ対策

サクサのUTM「SS5000」は、コンパクトながら充実機能。外部だけでなく内部の脅威にも対応できる。

Office 365ADCでOffice 365通信の課題解決!

Office 365通信の課題であるプロキシ/FWの負荷増大と運用の複雑化を一気に解決するのがADCだ。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンネットワークとPCを同時に守る!

ウォッチガードはNW防御にエンドポイントでのセンサー技術を組み合わせ、包括的で効果的な対策を実現!

サイバーリーズンAIで攻撃の兆候をリアルタイム検知
既知だけでなく未知の脅威も防御

AIを活用した独自分析技術で、悪意ある振る舞いを検知するEDR製品。

パロアルトネットワークスGTP-C/GTP-Uのセキュリティ強化
次世代FWをモバイル網に適用

携帯電話事業者のネットワークは次世代ファイアウォールが守る。

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

「マルチキャリアで冗長化したい」「シリアルI/Fなど既存環境に手を加えたくない」といった声に応える。

アットマークテクノ柔軟な拡張性・出荷実績30万台の
安心感の日本製IoTゲートウェイ

ASEAN中心に認証を取得で、IoTシステムの海外展開にも便利だ。

Office 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため
NWを見直すべき10のポイント

実際の失敗例をもとに、ネットワークの見直しのポイントを整理する。

無線LAN APだけで電子証明書も運用可能に 運用管理を容易化する工夫も満載!無線LAN APだけで 電子証明書も!

ヤマハのAPは内蔵コントローラ で複数のAPを統合管理できる。セキュリティ機能も充実だ。

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御 ワイヤレスIPSをお求めやすい価格で!「見えない脅威」にさらされている
無線LANをどう守る?

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御するワイヤレスIPSを手頃な価格で!

オンプレミス型のPBX/ビジネスフォンは“時代遅れ”では決してない。

機械学習/AIを使った自律運用型ネットワークをArubaは提案する。

ウォッチガードなら「導入運用の容易性」と「強固なセキュリティ」を兼ね備えたWi-Fi環境が手に入る。

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション201712
iot17
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2017 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます