住友電工がSD-WAN導入、通信量や重要度に応じてネットワークを制御可能に

NECは2017年9月22日、住友電気工業(以下、住友電工)の本社・営業所、データセンター等をつなぐ拠点間ネットワーク(WAN)回線を制御するネットワーク基盤を構築したと発表した。

SDN(Software-Defined Networking)を活用して構築したもので、運用する様々なシステムの通信量や重要度などに応じてネットワークを迅速かつ柔軟に制御することが可能という。

住友電工は、今後予想されるコミュニケーションやIoTによるデータ量の飛躍的な増大に対応するため、WAN回線の帯域拡大と信頼性向上に向けた対策が課題となっていた。従来、住友電工ではWAN回線に信頼性の高いギャランティ型回線を中心としたIPネットワークを用途毎に採用していたが、コスト負担を抑えつつ十分な回線帯域を確保することが困難だったという。また、800台を超える仮想マシンでプライベートクラウドを運用しており、更なる信頼性向上とコスト低減を図るため、BC/DRシステムの改善が必要となっていた。


住友電工のWAN構成(出典:NEC Webサイト)

そこで、NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」と「UNIVERGE IXシリーズ」で本社や営業所などの拠点間にSD-WANを構築。基幹業務や音声、テレビ会議などの様々なシステムの通信量や重要性に応じてネットワークを迅速かつ柔軟に制御することにより、WAN回線の信頼性を向上しつつ、帯域拡大とコスト低減を実現する。住友電工のグループ会社では、本ネットワーク基盤を利用することで、WAN回線の総コストを約10%削減するとともに、WAN回線の利用可能な総帯域を2倍以上にすることができたという。

また、直感的に判りやすいGUIを通じてネットワーク全体を可視化し、優先度に応じて容易に経路制御や設定変更が可能になることで、従来困難であった数十拠点に設置したWANルータを集中管理し、ネットワークリソースの動的な割り当てや定期的な見直しが可能になった。

データセンター間はSDNを用いてL2レイヤーで接続することで、万一の障害発生などによりバックアップサイトを稼働する場合にも、サーバのIPアドレスの変更が不要となり、迅速なシステムの切り替えが可能。これにより、BC/DRシステムに関するコストや作業工数を削減し、バックアップサイトの立ち上げ・切替時における人為的ミスによるリスクを低減する。

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