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ソフトバンク孫社長「新たな時代のジェントリになる」、AI・IoT、ロボットへの投資を拡大

文◎坪田弘樹(編集部) 2017.07.20

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ソフトバンクが7月20日から2日間にわたり開催している法人向けプライベートイベント「Softbank World 2017」。その基調講演で孫正義会長兼社長は「新しい時代のジェントリになる」と語った。18世紀の英国で産業革命の土台を支えた資本家層にならい、AIやIoT、ロボット技術を持つ企業への投資を拡大。「同志的結合」によって「情報革命」を牽引すると展望を述べた。


「いまの時代に生まれてよかった。本当に幸せに思う」――。

ソフトバンクグループの代表取締役会長兼社長の孫正義氏は「SoftBank World 2017」の基調講演で、そう切り出した。同氏は学生時代、松下幸之助氏をはじめとする当時の実業家を羨ましく眺めたという。もう少し早く生まれていれば、彼らのようにエレクトロニクスや自動車産業の世界に挑戦できたのに――。それが羨望の理由だった。


SoftBank World 2017基調講演で情報革命に向けたビジョンを語る孫正義氏


しかし今では、そんな考えは微塵もないようだ。

「こっち(今の時代)のほうがいい」――。そう言って笑う理由は、これから訪れる「情報革命」を当事者として体験し、さらにそれを牽引する存在となれるチャンスを有しているからだという。「産業革命も人々の生活を大きく変えたが、今回の情報革命は、人々が想像もできなかった世界へと導いてくれる。それほど大きな変革にチャレンジできるのは本当に幸せだ」。



孫社長は産業革命を「筋肉の拡張」、情報革命を「知能の拡張」と表現し、
情報革命は前者に比べて「はるかに大きな変革をもたらす」と述べた


その情報革命において、ソフトバンクはどのような役割を果たそうと考えているのか。それが、孫社長の語る「ジェントリ」である。

最先端技術と資本の融合が“革命”を起こす
ジェントリとは英国の下級地主層のことで、「郷紳」と訳される。貴族層の下に位置し、18~19世紀の産業革命に必要な資本を蓄えた。孫社長は「彼らの資産が新しい時代の産業革命の資金源となり、新しいテクノロジの誕生に貢献した」と話した。



産業革命を資金面で支えたジェントリのような役割を担いたいと孫社長は話す


つまり、「リスクを取る資本と新たなテクノロジが重なることによって革命が起きた」のであり、ソフトバンクは21世紀の情報革命において、その役割を果たそうというわけだ。「産業革命の時代にジェントリがキャピタルを投じたように、リスクマネーを投じて、ソフトバンクは新しい時代のジェントリになりたい」という。

そこで孫社長が話したのが、ソフトバンクのこれまでの投資実績だ。過去18年間の累計投資額110億ドルに対して、リターン額は累計で1750億ドルにも上るという。「たくさん失敗もしたが、ヒットのほうが多かった。これは偶然ではなく意図してリスクを取っていった結果」だと強調する。



ソフトバンクの過去18年間の投資実績。IRRは44%にも上るという


そして、孫社長は今後AIやIoT、ロボットなど、情報革命をもたらす新テクノロジーへの投資をさらに拡大する方針を述べた。2016年10月に発表した「Softbank Vision Fund」の調達総額は実に10兆円になる予定だという。2016年の世界中のベンチャーキャピタルの調達総額は7億円であり、その1.6倍に当たる額を目指している。

このSoftBank Vision Fundによって孫社長は「情報革命の同志的結合グループ」を創出するとの考えを述べた。ソフトバンクはここ数年、米携帯電話のSprintや、英半導体大手のARMなどを買収。また、2017年6月には米国のロボット開発企業であるBoston Dynamicsを傘下に収め、着々と「同志」を増やしている。今回の基調講演には、Boston DynamicsのCEOであるマーク・レイバート氏や、ARMのCEOであるサイモン・シガース氏らが続いて登壇し、情報革命の実現に向けた取り組みを語った。

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