「欧州の5G本格導入は2020年末」、5GPPP幹部インタビュー

欧州の5G研究開発プロジェクト「5GPPP」の活動が今夏、第2フェーズに入る。5GPPPで5GアーキテクチャWGの座長を務めるノキア・ベル研究所のシモーネ・レダーナ氏に、欧州の5Gへの取り組みを尋ねた。

――欧州では2015年に産官学共同の開発プロジェクト5GPPP(5G Public-Private Partnership)が設立され、5Gを中心とした次世代ネットワークの開発に、EUが7億ユーロ、民間企業が35億ユーロを投じるとして大きな話題になりました。現在5GPPPはどのような活動をしているのですか。

レダーナ 5GPPPは、2015年7月にフェーズ1として19の共同研究プロジェクトを立ち上げ、無線分野を中心に5Gのコア技術の開発を進めてきました。この成果は参加企業を通じて3GPPの標準化にも反映されていくことになります。

2016年のモバイルワールドコングレスで我々は、①自動車、②保健・医療、③工場・製造、④エネルギー、⑤メディア/エンターテインメントの5つの産業分野(Vertical)をターゲットとして、これらの業界の方々とともに5Gのマーケットを創り出していく方針を打ち出しました。

図表 5GPPPが注力する5つの産業分野
図表 5GPPPが注力する5つの産業分野

5Gでは、4Gで追求されていたモバイルブロードバンドだけでなく、広い領域で機能拡大が図られます。こうした機能を活用していくこれらの産業分野が、5Gのイネーブラーになると我々は見ているのです。欧州では第4次産業革命のツールとして5Gに強い関心が寄せられています。

今、フェーズ1は終わりに近づいており、今年の夏にはフェーズ2がスタートします。その具体的な中身についての議論がちょうど大詰めを迎えているところですが、フェーズ2では産業分野を特定した仕様作りを行います。

月刊テレコミュニケーション2017年5月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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