ワイヤレスジャパン2017/ワイヤレスIoT EXPO 2017簡単に始められる「レディメイド型IoT」をNTT東が展示、農業・畜産業でのトライアルも

2017年5月24日に東京ビッグサイトで開幕した「ワイヤレスジャパン2017」「ワイヤレスIoT EXPO 2017」(会期:26日まで)では、多種多彩なIoT関連ソリューションが展示されている。その1つ、NTT東日本ブースで紹介されているのが「レディメイド型IoT」だ。センサー、通信回線、Wi-Fi、そしてデータ解析・表示用のアプリケーションまでをセット提供するもので、IT/通信分野のノウハウがないユーザーでも手間なく導入できるという。

NTT東日本の「レディメイド型IoT」は、同社の光回線とクラウド型Wi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」をベースに、他社のセンサーデバイスやデータ解析用アプリをパッケージ型で提供するものだ。すでに複数のトライアルを実施しており、「農業向け」「畜産業向け」など分野ごとに特化したソリューションを2017年内に提供開始する予定という。


NTT東日本の光回線・Wi-Fiと他社のセンサー/サービスをパッケージ型で提供する

展示ブースで紹介されていたのは、山梨県北杜市で実証実験中の農業IoTのトライアルだ。農産物の生産・販売を行うサラダボウル(山梨県中央市、田中進社長)、トマトの生産・販売を行うアグリビジョンと共同で行っているもので、ディープラーニングによる映像データ解析によってトマトの収穫量予測と農作業者の生産活動の可視化を行っている。

仕組みは次のようなものだ。

台車に設置したカメラで栽培中のトマトの映像を自動的に撮影し、これをWi-Fi経由でクラウドにアップロードして画像解析を行う。形状や色から収穫可能なトマトを識別して、収量予測を栽培責任者に通知。これにより、農作業者の稼働を削減したり、出荷数の正確な予測が可能になるという。


トマトの画像を自動的に収集・解析。形状や色を分析して、収穫期に達したトマトを識別する

説明員によれば、「経験の少ない作業者でも効率的に収穫が行えるようにする」ことが目的の1つで、これまで経験や勘に頼っていた農作業の敷居を下げることにもつながる可能性がある。

もう1つ、肉用牛の転倒事故検知にも活用している。

ある畜産農家で行っているトライアルでは、牛舎にカメラとモーションセンサーを設置。牛がおかしな動きをしていることを検知すると管理者にメールで通知され、牛舎にいかなくても手元のタブレット端末で牛舎内の様子を確認できるようにした。


牛舎内の様子を遠隔から映像で確認できる

肉用牛には大量の飼料を与えるため、太りすぎで転倒する恐れが高く、気づかないまま放置すると多大な損害につながる。これまでは監視カメラで人が常時監視していたが、上記の仕組みによって作業負荷が大幅に軽減されるわけだ。

NTT東日本では、これら農業や畜産業にとどまらず、企業や自治体向けの多様なパッケージ型IoTを今後開発していく考えだ。

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