トレンドマイクロは2017年、AIとIoTに注力する

トレンドマイクロは3月29日、2017年の法人向け事業戦略を説明する記者会見を開催。AI(人工知能)やサンドボックスのような先進技術と、パターンマッチングなどの実績ある技術を融合した防御アプローチ「XGen(エックスジェン)」に基づいたセキュリティソリューションを提供していく方針を示した。

トレンドマイクロが打ち出した防御アプローチ「XGen」の肝となるテクノロジーはAIのようだ。同社代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は、ビジネスメール詐欺を例にXGenの特徴を説明した。

ビジネスメール詐欺とは、海外を中心に被害が拡大している新しいサイバー攻撃。CEOなどになりすました犯罪者が、「至急振り込んでくれ」などと従業員にメールで指示を出す。「マルウェアではなく、ただ人を騙す。米国での平均被害額は14万ドルにもなる」とチェン氏は企業に与える損失の大きさを説明した。

ビジネスメール詐欺は、マルウェアやシステムの脆弱性を付く攻撃ではないので、従来型のセキュリティ対策では防御できない。そこで活躍するのがAIだ。

機械学習と専門家の作成したルールの組み合わせにより、ビジネスメール詐欺かどうかを判定する。例えば、ビジネスメール詐欺の文面の特徴に、緊急性(例:至急振り込んでほしい)と機密性(例:誰にも話さないでほしい)の強調があるが、AIを活用することで、こうした文面からも見破ることが可能だという。

機械学習も活用してビジネスメール詐欺を検知
機械学習も活用してビジネスメール詐欺を検知

このビジネスメール詐欺対策の機能は、同社のEメールセキュリティ製品に搭載されるものだが、トレンドマイクロはこのほかの製品へもAI技術やサンドボックス連携機能の搭載を進めていく予定。具体的には以下のスライド通りの計画となっている。

XGenに基づいたセキュリティソリューションの強化予定
XGenに基づいたセキュリティソリューションの強化予定

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