企業ネットワーク最前線

ランサムウェアの被害急増も「日本企業はお金を支払わない」、NRIセキュアが実態調査

文◎太田智晴(編集部) 2017.03.28

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

NRIセキュアテクノロジーズの金子洋平氏
と山本直実氏(右)

NRIセキュアテクノロジーズは2017年3月28日、「企業における情報セキュリティ実態調査 2017」を発表した。セキュリティ人材の不足やランサムウェアの被害急増、IoTの課題など、大手・有力企業のセキュリティへの取り組みの実態が浮き彫りになっている。

 
過去1年間の間に、ランサムウェアによる事件・事故に遭った国内企業の割合は32.5%――。日本でも、数多くの企業がランサムウェアによる被害を実際に被っていることが判明した。

これは、NRIセキュアテクノロジーズの「企業における情報セキュリティ実態調査2017」の調査結果だ。同調査は、上場企業および未上場の有力企業の情報システム・情報セキュリティ担当者を対象に毎年実施されているもので、「国内の大手・有力企業のセキュリティの取り組み状況を明らかにすることが目的」(NRIセキュアテクノロジーズ コンサルティング事業本部 ストラテジーコンサルティング部 セキュリティコンサルタントの金子洋平氏)。

ランサムウェアが調査対象となったのは今回が初だが、急速に被害が広がっていることが分かる。

急増するランサムウェア、標的型メール攻撃による被害
急増するランサムウェア、標的型メール攻撃による被害

 

ランサムウェアに感染した後の対応だが、「日本企業はほとんど金銭を払うことがない」と金子氏。今回の調査で「金銭を支払った」と回答した企業はゼロだった。バックアップデータからの復旧や、感染PCの再キッティングによる対応がほとんどとなっている。

なお、同調査の対象企業は前述の通り、上場企業が中心。「上場企業なので、犯罪に加担したくない、ということで今回の結果となっているが、もしかすると中小企業は違うかもしれない」と同セキュリティコンサルタントの山本直実氏は補足した。

標的型メール攻撃による事件・事故に過去1年間に遭った国内企業の割合も34.1%と、昨年調査から倍増している。


9割の企業でセキュリティ人材不足このようにサイバー攻撃による被害は拡大するばかりだが、一方でこうした高度な攻撃への対策は遅れている。

ファイアウォールの導入や受信メールのウイルスチェックといった基本的な対策については実施済みの企業が多かったが、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)を導入している企業は22.7%、受信メールの添付ファイル拡張子規制を行っている企業は34.9%にとどまっている。

セキュリティ人材の不足問題も、より切実になっているようだ。セキュリティ人材について「どちらかといえば不足している」「不足している」と回答した企業の合計は以前から8割を超えていたが、今回は89.5%と9割近くにまで上昇した。

約9割の企業でセキュリティ人材が不足
約9割の企業でセキュリティ人材が不足

 

この背景には、2つの要因があると推察されるという。

まずは、経営層の関心の高まり。経済産業者が2015年にサイバーセキュリティ経営ガイドラインを策定したのを契機に、経営問題としてセキュリティを捉える経営者が増えた。その結果、情報セキュリティの現場では、「うちのセキュリティはどうなっている?」など、経営層の要求・指示への対応が増えており、これが人材不足に拍車をかけている。

もう1つの要因は、ランサムウェアや標的型メール攻撃などによる被害の増加だ。対応が必要なインシデントも増えたことで、人材が不足しているのである。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

watchguard1711
logicool1709
yamaha1709

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】IoTと宇宙
<Part 1>衛星画像で超広域IoT
<Part 2>これが未来の衛星通信だ
<Part 3>センチメーター級測位がIoTを変える

◆京セラコミュニケーションシステム 黒瀬社長「Sigfoxで世の中は変わる!セルラーIoTとは別世界だ」 ◆働き方改革で用途広がるPBX/ビジネスホン ◆導入後に困らないWi-Fiを作ろう ◆“タフな無線”でドローン操縦 ◆「IoT自販機」を地域の見守り拠点に

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー
次世代SPS2017_B

スペシャルトピックス

Office 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため NWを見直すべき10のポイントOffice 365導入を成功に導くため
NWを見直すべき10のポイント

実際の失敗例をもとに、ネットワークの見直しのポイントを整理する。

無線LAN APだけで電子証明書も運用可能に 運用管理を容易化する工夫も満載!無線LAN APだけで 電子証明書も!

ヤマハのAPは内蔵コントローラ で複数のAPを統合管理できる。セキュリティ機能も充実だ。

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御 ワイヤレスIPSをお求めやすい価格で!「見えない脅威」にさらされている
無線LANをどう守る?

Wi-Fiの見えない脅威を可視化・防御するワイヤレスIPSを手頃な価格で!

オンプレミス型のPBX/ビジネスフォンは“時代遅れ”では決してない。

機械学習/AIを使った自律運用型ネットワークをArubaは提案する。

ウォッチガードなら「導入運用の容易性」と「強固なセキュリティ」を兼ね備えたWi-Fi環境が手に入る。

パブリッククラウドの普及で、設計・構築・運用法が大きく変わった!

待望の後継機が遂に登場!電話番号の最大登録数は2倍に向上。

ソフトバンクのMDMは、管理者の運用負荷を軽減しながらセキュアな利用を可能にする。

働き方改革はICTツールの導入・活用から取り組むのが有効だ。

大量のアラートをさばくのに忙殺される、旧態依然の運用と決別しよう。

NECのソリューションなら、多様なモバイルワークをセキュアに実現!

「WhatsUp Goldならコスト半減も可能」。イプスイッチの関口氏はこう自信を見せる。

4~6人程度の会議に最適なロジクールのビデオ会議「MeetUp」とは?

ヤマハ独自の音声処理技術が、臨場感あふれる会議を実現する。

注目が集まるCASBのメリットを活かすには、運用負荷を軽減する仕掛けが不可欠だ!

アクセスランキング

月刊テレコミュニケーション
iot16
compass
packet

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2015 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます